2001 Fiscal Year Annual Research Report
走運動時の脳内乳酸・ホルモン動態からみた運動強度の新たな評価法の確立
Project/Area Number |
13558001
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
征矢 英昭 筑波大学, 体育科学系, 助教授 (50221346)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 理香 筑波大学, 体育科学系, 助手 (30312838)
藤川 隆彦 三重大学, 医学部・生化学, 講師 (60293776)
龍田 正寿 産業技術総合研究所, 主任研究員
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Keywords | 走運動 / 脳内乳酸 / 海馬 / LT / 運動強度 / 評価法 |
Research Abstract |
脳内の細胞外液中の乳酸濃度は,虚血以外に,学習やストレス時に増加する。この乳酸はグリア由来だが神経活動を反映すると考えられている。本研究では,マイクロダイアリシス法による脳内乳酸レベルの動態からみた神経細胞興奮レベルと,末梢血中乳酸動態から見た相対的運動強度との関連性を調べることを目的として実験を行った。雄ラットにおよそ2週間マイルドな走速度計6〜7回走行学習させLT強度で30分走れるようにする。その後,麻酔下でラットを脳定位固定装置を用い,海馬(主にCA1〜CA3領域)にマイクロダイアリシスプローブ(BAS社製,CMA/II)を埋入した。還流液は,シーベル(プローブと送液チューブをつなげるコネクター)を通る送液チューブ内を送り,蛍光分光計につなげ,NADHの還元反応からリアルタイムに乳酸濃度を測定した。血中LTは同様に準備した別のラットの外頸静脈内にカテーテルを留置し,連続的な採血を可能にした状態で漸増走運動時を行わせLT速度を求めた。ラットのLTは平均的におよそ分速15m付近にみられた。しかし,海馬内乳酸は分速5m付近から有意に増加し始め,速度漸増に伴い増加し,試みた最大速度(分速30m)まで増加した。運動後は脳内乳酸濃度は漸減した。以上の結果は,海馬内乳酸はLTよりも低い強度から増加することから,海馬の神経活動はLTよりも低い強度でも十分興奮しうることが示唆された。低強度運動の脳への貢献が示唆される。
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