2001 Fiscal Year Annual Research Report
日常生活中における筋活動の定量的方法の開発およびその実践
Project/Area Number |
13558002
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
金久 博昭 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (50161188)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神崎 素樹 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (30313167)
政二 慶 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (30282510)
福永 哲夫 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (40065222)
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Keywords | ホルター筋電計 / 筋放電量 / 日内変動 / 筋力-筋放電量関係 / 個人差 / 筋群差 / 等尺性筋活動 / 運動強度 |
Research Abstract |
本研究は日常生活中における筋活動の定量的評価方法の開発およびその実用性について検討することを目的としており、本年度は、筋放電量のデータ採取に利用する計測システム(ホルター筋電計)の妥当性・信頼性について、1)筋力-筋放電量関係における生体アンプとホルター筋電計の比較、2)ホルター筋電計による採取データの日内変動、3)ホルター筋電計により取得した筋力-筋放電量関係における個人間および筋群間比較、4)強度の異なる各種運動を実施した際の運動強度-筋放電量関係の4点から検討した。その主な結果は次に示す通りであった。1)生体アンプとホルター筋電計の比較:等尺性筋活動による最大努力時の筋放電量で規格化した値は、2方法間の相関係数が0.9以上と極めて高く、筋力-筋放電量関係に2方法間で有意な差は存在しなかった。2)筋力-筋放電量関係の日内変動:9時間にわたり電極を装着した状態で、2時間おきに最大下努力による等尺性筋活動を実施した結果、筋力-筋放電量関係には試行間に有意な差が存在せず、長時間の記録であっても安定したデータの採取が可能であることが明らかとなった。3)筋力-筋放電量関係における個人間および筋群間比較:等尺性最大筋力発揮時の値により規格化された筋力一筋放電量関係を個人間および筋群間で比較したところ、有意な個人差および筋群差が観察された。この結果は、最大筋力発揮時の筋放電量によって規格化された値に基づき、筋活動水準を個人間および筋群間で比較することが困難であることを意味する。この点については次年度においても継続して検討する予定である。4)強度の異なる各種運動時の筋放電量:歩・走をはじめ日常生活中の各種動作について強度別の筋放電量を測定した。その結果、主働筋群の放電量は強度にほぼ比例することが明らかになり、筋放電量の分析結果に基づき日常生活中の筋活動水準を運動強度との対応で明らかにできる可能性が示唆された。
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