2002 Fiscal Year Annual Research Report
日常生活中における筋活動の定量的方法の開発およびその実践
Project/Area Number |
13558002
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
金久 博昭 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (50161188)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 啓太郎 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (70323459)
神崎 素樹 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (30313167)
政二 慶 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (30282510)
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Keywords | 筋電図 / ホルター筋電計 / 日常生活 / 上肢筋群 / 下肢筋群 / 筋活動水準 / 筋活動時間 / 協働筋 |
Research Abstract |
本研究は日常生活中における筋活動の定量的評価方法の開発し、その実用性について明らかにすることを目的としており、平成13度には筋放電量のデータ採取に利用する計測システム(ホルター筋電計)の妥当性・信頼性について検討した。その結果を踏まえ、平成14年度は、日常生活中の身体活動における上肢筋群と下肢筋群(実験1)および下肢の協働筋間および拮抗筋間(実験2)の筋電図の長時間記録を行い、その結果に基づき、日常生活中の筋の活動時間および活動水準の実際を筋群別に把握すると同時に、それらにおける筋群差を明らかにすることを目的として研究を行った。その主な結果は、以下の通りであった。 実験1:上腕二頭筋、上腕三頭筋、外側広筋および大腿二頭筋の4筋について、日常生活中の12〜14時間の筋電図記緑を実施した結果、総活動時間には、上肢筋群と下肢筋群の間に有意な差は認められなかった。しかし、筋活動の出現総数は上肢筋群が下肢筋群より多く、最大随意収縮中の値で正規化した筋電図平均値(%mEMGmax)は、逆に下肢筋群が上肢筋群より高い傾向がみられた。したがって、上肢筋群に比較して下肢筋群では、筋活動の出現回数は少ないものの、その活動水準は高いと考えられた。 実験2:大腿直筋、外側広筋、内側広筋、大腿二頭筋、腓腹筋内側頭、腓腹筋外側頭、ヒラメ筋および前脛骨筋の8筋について、日常生活中の7時間の筋電図記緑を実施した結果、活動水準および活動時間のいずれの評価指標においても、下腿三頭筋を構成する筋群が大腿四頭筋のそれらよりも高い値を示す傾向にあった。特に、ヒラメ筋は、他の筋群に比較して、筋活動1回当たりの活動時間および%mEMGmaxが有意に高値であり、日常生活中に高水準での活動を多く含むことが示唆された。また、0.1秒間隔の%mEMGmaxにおける協働筋間の関係において、大腿直筋-外側広筋・内側広筋間、およびヒラメ筋-腓腹筋内・外側頭間の各相関係数は、それぞれ外側広筋-内側広筋間および腓腹筋内側頭-外側頭間のそれらより低いものであり、日常生活中の活動水準の時刻変化という点において、二関節筋と単関節筋の類似性は低いと考えられた。
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