2002 Fiscal Year Annual Research Report
上気道感染リスクをモニタリングする簡易型sIgA測定キット開発とその有効性の検証
Project/Area Number |
13558003
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
秋本 崇之 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (00323460)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤間 高雄 日本女子体育大学, 体育学部, 助教授 (60212411)
河野 一郎 筑波大学, 体育科学系, 教授 (00132994)
福林 徹 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (70114626)
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Keywords | 免疫 / 感染症 / スポーツ / 運動 / 局所免疫 / 唾液 |
Research Abstract |
簡易型SIgA測定キットの開発 本年度はある企業の協力の下に比濁法を用いて,SIgAの簡易測定を試みた.コスト的には問題が無いが,測定に用いる抗体がSIgA特異的な抗体ではなく,通常血中のIgAを定量するために市販されている抗体であるため,測定誤差が大きく,特異性も低かった.この問題を解決するため,現在,SIgA特異的なモノクローナル抗体を作製している.来年度はSIgA特異的なモノクローナル抗体を用いて,比濁法による測定キット開発を目指す. SIgAレベルと感染症の関係の検討 本年度は,2ケ月.に渡って30名の被験者から唾液を採取し,SIgAと上気道感染症の関係を調査した.その結果,SIgAの低下と,上気道感染症の発現に一定の関係があることが明らかとなった(投稿準備中).また,高強度トレーニング(試合期)のSIgAの変化と,心理的・肉体的ストレスに関する論文が現在,査読中である. 昨年度,行った実験では,上気道感染発症前後のSIgAレベルの変動を検討した研究が,日本臨床スポーツ医学会誌に掲載された.また,高齢者を対象として,運動トレーニングによるSIgAの変動を検討した研究がBr J Sports Medに掲載された.基礎研究としては十分な研究成果が得られていると考える.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 中村大輔, 秋本崇之: "大学サッカー選手における唾液中SIgAを用いた上気道感染症予防の試み"日本臨床スポーツ医学会誌. 10(3). 445-450 (2002)
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[Publications] Akimoto T, Kumai Y, Akama T, Hayashi E, Murakami H, Soma R, Kuno S, Kono I: "Effects of 12 months of exercise training on salivary secretory IgA levels in elderly subjects"Br. J. Sports Med. 37(1). 77-80 (2003)
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[Publications] 秋本崇之, 扇原淳: "運動は免疫能を向上させるか?疫学によるエビデンス"臨床スポーツ医学. 19(11). 1283-1287 (2002)