進化的メタヒューリスティクスに基づくファジィ多目的離散最適化と産業界での実用化

2003 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 13558048
• Research Institution: HIROSHIMA UNIVERSITY
• Principal Investigator: 坂和 正敏 広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70093507)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 片桐 英樹 広島大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40325147) ; 加藤 浩介 広島大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00263731) ; 西崎 一郎 広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80231504) ; 柴野 俊弘 新菱冷熱工業(株), 都市設備事業部, 課長(研究職) ; 四郎丸 功 中国電力(株), エネルギア事業推進室, 専任部長(研究職)
• Keywords: メタニューリスティクス / 進化的アルゴリズム / ファジィシステム / 多目的システム / 離散最適化 / ファジィ計画法 / 多目的計画法 / 遺伝的アルゴリズム

Research Abstract

複雑に依存しあう現実の様々な意思決定状況における最適化は,ファジィ情報のもとでの,多変数でしかも離散変数を含むとともに,複数個の相競合する目的をも考慮して行わなければならないことに着目して,ファジイ多目的離散最適化問題の定式化を進め,進化的メタヒューリステイクスの代表的な手法である遺伝的アルゴリズムやタブー探索法に基づく対話型ファジィ多目的離散最適化手法を提案して,数多くの数値例により提案してきた対話型意思決定手法の有効性を示してきた.また,さまざまなファジィ多目的離散最適化問題にも対処し得るような対話型ファジィ多目的最適化手法を開発するために,これまで申請者が提案してきた2重構造文字列遺伝的アルゴリズムを,一般の整数計画問題に対しても適用が可能となるような拡張を試みた.特に,2重構造文字列によって表現された個体に対する基準解を導入したデコーディングアルゴリズムと基準解更新のアルゴリズム化の提案によって,すべての個体を実行可能解に対応づけるのみならず大域的な探索を可能とし,数多くの数値例によりその有効性を検証した.しかも,Hanafiらによる多次元0-1ナップサック問題に対するタブー探索法の一般0-1計画問題や整数計画問題への拡張を提案し,数値実験によりその有効性を示した.さらに,離散最適化の観点から,地域冷暖房システムにおける最適運転計画問題を取り上げて,混合0-1計画問題としての定式化のみならず,混合整数計画問題や非線形0-1計画問題としての定式化をも行った.このように定式化された混合0-1計画問題,混合整数計画問題および非線形0-1計画問題は,実規模の問題では数百の変数を含む大規模な問題になり,厳密最適解の導出は困難となるため,それぞれの問題の構造を利用した遺伝的アルゴリズムの提案による近似解法を試みた.さらに,現実の地域冷暖房システムの運転計画問題に対して数値実験として遺伝的アルゴリズムを用いた提案解法と分枝限定法による解法を適用し,提案解法の有効性を比較・検討した.

Research Products

• [Publications] Masatoshi Sakawa: "Genetic algorithms with double strings for 0-1 programming problems"European Journal of Operational Research. 144・3. 581-597 (2003)
• [Publications] Masatoshi Sakawa: "An interactive fuzzy satisficing method for multiobjective stochastic linear programming problems through an expectation model"European Journal of Operational Research. 145・3. 665-672 (2003)
• [Publications] 沈 永新: "多目的2レベル0-1計画問題に対する遺伝的アルゴリズムによる選好に関する部分的情報を用いた対話型ファジイ計画法"日本知能情報ファジィ学会誌. 15・2. 209-218 (2003)
• [Publications] 片桐英樹: "ファジーランダム変数係数を含む線形計画問題に対する可能性測度と必然性測度を用いた確率計画モデルに基づく意思決定"電子情報通信学会誌. J86-A・9. 655-662 (2003)
• [Publications] Kosuke Kato: "Genetic algorithms with decomposition procedures for multidimensional 0-1 knapsack problems with block angular structures"IEEE Transactions on Systems, Man and Cybernetics, Part B. 33・3. 410-419 (2003)
• [Publications] Ichiro Nishizaki: "Stackelberg solution to multiobjective two-level linear programming problems with random variable coefficients"Central European Journal of Operations Research. 11・3. 281-296 (2003)