2001 Fiscal Year Annual Research Report
分割吸収体により有感面積を増大化したNIS型超伝導体放射線検出器の開発研究
Project/Area Number |
13558062
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
神野 郁夫 京都大学, 工学研究科, 助教授 (50234167)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小河 潔 島津製作所, 基盤技術研究所, 主任研究員
品田 恵 島津製作所, 基盤技術研究所, 主任研究員
伊藤 秋男 京都大学, 工学研究科, 教授 (90243055)
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Keywords | 超伝導体 / 放射線検出器 / 極低温 / エネルギー分解能 / 有感面積 / 分割吸収体 / 電子温度 / トンネル接合 |
Research Abstract |
より性能の良い超伝導体検出器を製作するために,真空チェンバを更新した.新しい真空チェンバには,従来からの超伝導体Nbスパッタ用DCマグネトロンに加え,絶縁体とするAlおよび常伝導体Agを蒸発させる電子ビーム蒸着ガン,そして絶縁性を確実にするためのSiO_2成膜用RFマグネトロンを備えている.また,真空チェンバの内部からべーキングを行うためのハロゲンランプとこの前後駆動機構を持つ.さらに,超伝導体検出器を製作するために,従来は基板をX-Y方向へ移動するX-Yステージを用いていたが,今回は基板をシャドーマスクに接近させるための駆動機構を持つX-Y-Zステージを製作した.この新しい成膜システムを用いて,超伝導体検出器の製作を開始した. まず,超伝導体膜であるNb膜の成膜条件をアルゴンガス圧を変えながら検討した.次に,絶縁体膜とするAlおよび常伝導体のAgの蒸着条件を検討した.最後に,SiO_2膜を成膜するための酸素を混入したアルゴン雰囲気の条件を決定した.本年度製作したX-Y-Zステージを用いることで,従来はシャドーマスクのパターンから約50μm程度あった膜のしみ出しが,およそ10μm程度と小さくなった. また,超伝導体検出器の有感面積の増大化に関して新しいアイディアを得た:放射線のエネルギー付与による接続を行うヒートスイッチの利用である.この方法に関して特許申請の準備を行っている.
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Research Products
(1 results)