2003 Fiscal Year Annual Research Report
触媒反応を光スイッチや分子スイッチで制御できる環境修復酵素の構築
Project/Area Number |
13558069
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
清水 透 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (40118956)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒河 博文 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (80359546)
佐上 郁子 東北大学, 多元物質科学研究所, 講師 (10143033)
|
Keywords | 分子スイッチ / シトクロムP450 / 一酸化窒素 / 環境ホルモン / 電子移動 / キメラ / 遺伝子工学 / 薬物代謝 |
Research Abstract |
一酸化窒素合成酵素(NOS)は、シトクロムP450と同様なヘムにチオールが配位した活性部位を保持している。NOSの酸素分子活性化は、基本的にはシトクロムP450と類似しているが、いくつかの大きな違いがある。1つは二量体が活性体である。2つはカルモデュリンの結合が酸素活性化に必須な電子導入に必要である。3つは、テトラヒドロビオプテリンH4Bが酸素分子の活性化に不可欠である。この2のカルモデュリンは、分子スイッチとして電子移動反応をon/offする。酸素分子の活性化を詳細に調べるには、酸素分子の活性部位への結合のキネティックスを調べなければならない。しかし、その実験には高価な機器と高等なテクニックを必要とする。今回、我々は、酸素分子の換わりに、酸素分子と同様にヘムに結合するシアンとCOの活性部位への結合を調べた。その際、基質結合部位の変異体への結合についても調べた。その結果、基質に類似した阻害剤がそれらの結合速度や平衡に影響すること、又、基質結合アミノ酸を変異した変異体は基質の影讐を受けないことが判明した。又、基質結合部位にあり良く保存されたヴァリンの変異体を作成してその反応活性を調べた所、このヴァリンが基質結合に重要な役割を果たしていることがわかった。ヨーロッパとの共同研究として、H4Bが酸素の活性化重要な役割をすることを改めて低温スペクトルや常磁性磁気共唱スペクトルを用いて明らかにした。さらに、細胞陥没部位に存在する重要なペブチドであるカヴェオリンが電子移動スイッチになり、分子内及び分子間電子移動を調節し、細胞におけるNO合成の調節に重要な役割を果たしていることが示唆された。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] S.Bengea, I.Sagami, T.Shimizu: "CO Binding to the Isolated Oxygenase Domain of Neuronal Nitric Oxide Synthase : Effects of Inhibitors and Mutations at the Substrate Binding Site"J.Inorg.Biochem.. 94. 343-347 (2003)
-
[Publications] J.Yadav, I.Sagami, T.Shimizu: "Cyanide Binding Study of Neuronal Nitric Oxide Synthase : Effects of Inhibitors and Mutations at the Substrate Binding Site"J.Inorg.Chem.. 95. 25-33 (2003)
-
[Publications] H.Takahashi, Y.Sato, I.Sagami, T.Shimizu: "Critical Role of Val567 in Substrate Recognition by Neuronal Nitric Oxide Synthase for NO Formation Activity"Chemistry Letters. 32. 998-999 (2003)
-
[Publications] M.Sorlie, A.C.F.Gorren, T.Shimizu, B.Mayer: "Single-turnover of Nitric-oxide Synthase in the Presence of 4-Amino- tetrahydrobiopterin"J.Biol.Chem.. 278. 48602-48610 (2003)
-
[Publications] Y.Sato, I.Sagami, T.Shimizu: "Identification of Caveolin-a-interacting Sites in Neuronal Nitric-oxide Synthase : Molecular Mechanism for Inhibition of NO Formation"J.Biol.Chem.. 279. 8827-8836 (2004)