2003 Fiscal Year Annual Research Report
クローン技術によるNODおよびdy疾患モデルマウス作出の実用化に関する研究
Project/Area Number |
13558099
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Research Institution | TOKYO UNIVERSITY OF AGRICULTURE |
Principal Investigator |
河野 友宏 東京農業大学, 応用生物科学部, 教授 (80153485)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 守 実験動物中央研究所, 免疫研究室, 室長 (00176364)
永淵 正法 九州大学, 医療技術短期大学部, 教授 (00150441)
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Keywords | マウス / クローン / 筋ジストロフィー / 糖尿病 |
Research Abstract |
本研究の目的は、核移植によるクローンマウス生産技術を用いて、ES細胞から疾患モデルマウスの生産システムを構築し、疾患の原因究明および治療法開発の基礎研究に貢献することにある。そこで、特に本研究では、I型糖尿病モデルとして使用されているNODマウス(non-obese diabetic mouse)および筋ジストロフィーモデル(dy)および(mdx)マウスに対象を絞り、申請研究年限の3年以内に両疾患モデルマウス由来のES細胞からクローンマウスの生産を目指した。研究成果を要約すると、1)NODマウス由来ES細胞からクローンマウスの生産を試みた結果、すでに胚盤胞の作成に成功したが、産仔の生産には至らなかった。この結果は、4亜株を用いて確認実験をしたが、いずれも同様の結果で、NODマウス由来ES細胞からのクローンマウスの生産は困難であると考えられた。2)新たに、筋ジストロフィーモデルマウスのdy系統およびmdx系統からES細胞の樹立を試み、継代培養可能なES細胞株の樹立に成功した。キメラ作成による生殖細胞への分化を確認したところ、それぞれ2株で生殖細胞への寄与が確認された。3)これらのES細胞を用いてクローンマウスの生産を試みたところ、クローン胚盤胞の生産には成功したが、移植試験による産子の生産には成功していない。 以上の結果より、I型糖尿病モデルとして使用されているNODマウス(non-obese diabetic mouse)および筋ジストロフィーモデル(dy)および(mdx)マウスの胚盤胞に由来するES細胞の樹立に成功したが、これからクローンマウスを生産することはできなかった。今後、さらに例数を増やし、その可能性を検証する必用があると考えられた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Teranishi T, Tanaka M, Kimoto S, Ono Y, Kono T, Yoshimura Y.: "Rapid replacement of somatic linker histones with the oocyte-specific linker histone H1foo in nuclear transfer"Dev.Biol.. 266. 78-86 (2004)
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[Publications] Ogawa H, Ono Y, Shimozawa N, Sotomaru Y, Hiura H, Ito M, Kono T.: "Disruption of imprinting in cloned mouse fetuses from embryonic stem cells"Reproduction. 126. 549-557 (2003)
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[Publications] Shimozawa N, Tajima S, Azuma N, Hioki K, Kono T, Ito M.: "Histological study of the hypertrophic placentas and open eyelids observed in cloned fetuses"J.Reprod.Dev.. 49. 221-226 (2003)