完全埋込式、永久人工心臓トータルシステムの慢性動物実験による臨床応用への展開研究

2001 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 13558105
• Research Institution: Tokyo Medical and Dental University
• Principal Investigator: 高谷 節雄 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (40154786)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 中村 真人 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教授 (90301803) ; 浜中 人士 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (10013955) ; 坂本 徹 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10101875) ; 大内 克弘 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助手 (20322084) ; 伊藤 宏 東京医科歯科大学, 医学部・附属病院, 講師 (10232464)
• Keywords: 全置換型人工心臓 / 補助人工心臓 / 心臓移植 / 遺伝子治療 / 再生医療 / 細胞・組織工学 / エネルギー伝送装置 / 体積補償装置

Research Abstract

平成13年度は、全置換型人工心臓と補助人工心臓の経皮エネルギー伝送装置を除いた要素技術の精度を上げ、動物実験を行う方向で検討した。先ず、全置換型及び補助人工心臓のポンプハウジングをチタン合金(Ti-6Al-7Nb)で作製するための、CAD/CAM切削技術の開発を行った。結果、TAH、VADのポンプハウジングに関するCADデータを作成し、そのデータを基にして、CAMデータを作成し、NC加工を行った。また、ポンプダイアフラムの作成に関しては、従来のデイッピング方式から真空成形法に移行し、再現性の向上、作成時間の短縮に成功した。
TAHの埋め込み実験を仔牛を用い開始した。最初100Kg前後の仔牛にて、解剖学的適合性や手術主義について検討し、4頭の仔牛で、実際に体外循環を回し、TAHの埋め込みを行った。その結果、4頭目の仔牛は、術後自力で起立し、抜管にも成功した。このことは、人工心臓、手術方法、麻酔、体外循環と一連の方法をクリアしたことを意味する。この仔牛は、術後30時間左ポンプ流量の低下で犠死させた。左右ポンプ流量のバランスに関する今後の検討が必要である。
VADに関しては、ポンプ特性を求めた後、体重80Kgの仔牛を用いて、埋め込み実験を行った。ポンプは腹部に埋め込み、左心心尖部より脱血、下行大動脈送血回路を作成した。75ccコンプライアンスチェンバーは胸腔内に埋め込んだ。計測は、動脈圧、VADバイパス流量、チェンバー内圧等を連続的に行い、コンピューターに取り込んだ。手術中、心室細動が長時間継続したため、術後の状態が良くなく、動物は起立できなかったが、抜管し、24時間データを収集して終わった。ポンプは、常時4〜5L/minを維持しており、モーター電流は0.6〜0.7を示していた。これは、モーターへの入力電力が12〜14ワットを意味する。脱血と送血に内径14mm管を使用したことが、高電力を要した理由ではないかと考える。
今後、TAHとVADに関しては、耐久性と生体適合性の観点から改良を加え、長期安定して動物の体内で駆動可能なシステムの構築を行っていく予定である。
拍動流ポンプの開発と並行して、1点支持遠心ポンプの性能評価、溶血試験、数値解析による流れの解析等を行った。耐久試験も2ヶ月をクリアし、動物実験を開始する体制ができた。
平成14年度は、拍動流、無拍動流ポンプを使用し、循環維持、制御の研究を展開する予定である。

Research Products

• [Publications] Takatani S, Nakamura M, Ohuchi K, Nogawa M, Sakamoto T: "Ultracompact, Completely Implantable Electro-mechanical permanent TAH"Journal of Congestive Heart Failure and Circulatory Support. 1(4). 161-166 (2001)
• [Publications] Takatani S, Nakamura M, Ohuchi K, Nogawa M, Sakamoto T: "Ultracompact, Completely Implantable Electro-mechanical pulsatile VAD system"Joumal of Congestive Heart Failure and Circulatory Support. 1(4). 161-166 (2001)
• [Publications] Nakamura M, Takatani S, Ohuchi K, Sakamoto T, Honma A, et al.: "Oxygen-demand-based physiological control of the total artificial heart"Joumal of Congestive Heart Failure and Circulatory Support. 1(4). 201-206 (2001)
• [Publications] Ohuchi K, Kikugawa D, Murakami T, Sakamoto T, Takatani S, et al.: "Control Strategy For Rotary Blood Pumps"Artif Organs. 25(5). 366-370 (2001)
• [Publications] Ohuchi K, Yuhki A, Nakamura M, Sakamoto T, Takatani S: "Development of a compact, seal-less, tri-pod supported centrifugal blood pump"Journal of Congestive Heart Failure and Circulatory Support. 1(4). 413-417 (2001)
• [Publications] Ohuchi K, Nakamura M, Sakamoto T, Takatani S. et al.: "Automatic control of implantable centrifugal blood pumpbased on the analysis of motor current waveform"Journal of Congestive Heart Failure and Circulatory Support. 1(4). 431-435 (2001)