2003 Fiscal Year Annual Research Report
プランゲ文庫における戦後初期国語副読本の実態および特色に関する調査研究
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13571046
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
吉田 裕久 広島大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (80108373)
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Keywords | 戦後初期 / プランゲ文庫 / 国語副読本 / ワークブック(問題集) / ハンドブック(学習参考書) / CCD(民間検閲支隊) / 学習の手引き |
Research Abstract |
1 調査の実態-プランゲ文庫所蔵の国語副読本について、昨年度までの小学校関係の調査に引き続き、今年度は中・高等学校を中心に、9月と3月の2回、現地調査を実施した。中・高等学校国語科関係の当該資料について、一冊ごとにそれぞれ書名・編著者名・発行年月日・発行所・定価・ページ数等の基礎データを目録化した。なお現在、プランゲ文庫においても同様の目録化作業が開始・進行しつつあり、これと歩調を合わせながら進めている。が、プランゲ文庫の方で、開始が遅れたのと、時期によって微修正が行われるなど、これへの対応を余儀なくされている。 2 国語副読本の枠組み-国語副読本といっても大量、かつ多領域にわたっており、これを分類する必要が生じてきている。その仮の枠組みとして、次のものを用意し、これに基づいて基礎データを作成している。小学校についてもこれを準用している。中心はあくまで(2)であり、(1)はその核、(3)は周辺である。 (1)国語教科書(CCDの検閲資を収集したプランゲ文庫に教科書があるというのも驚きである) (2)生徒用参考書・問題集(教科書解説・ワークブック・ハントブック・問題集等、大量かつ多領域である) (3)教師用指導書(当時の国語教科書を対象にしたものと、当時の国語教育一般を対象にしたものとがある) 3 中・高等学校の副読本-中・高等学校の副読本は、当時の出版事情に照らしてみると、極めて大量に発行されており、中学校-132冊、高等学校-490冊を数えている。中学校は教科書準拠の解説・問題集が中心であり、高等学校は日本文学史、古典作品別(源氏物語・枕草子・徒然草等)解釈、国文法解説等、やや一般的な解説・研究書になっている。最大の特色としては、大量の発行ではあるが、その分、類書の多さも日立っている。
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