2001 Fiscal Year Annual Research Report
Innovation Cluster形成に関する日米比較研究-ベンチャー企業育成支援策の基盤分析-
Project/Area Number |
13572016
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西澤 昭夫 東北大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (80257435)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福嶋 路 東北大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (70292191)
大滝 精一 東北大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (20138556)
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Keywords | Innovation Cluster / 産学官連携 / ネットワーク組織 / 支援専門家 / Influencer |
Research Abstract |
今年度は、海外共同研究者であるテキサス大学付属IC^2のD.ギブソン理事研究員の協力のもと、テキサス州オースティン市におけるInnovation Cluster形成の歴史的推移、その過程におけるテキサス大学の貢献、MCCやSEMATECなど連邦及び州政府の貢献、ATIやTexas Capital Networkの形成や機能などに関する資料収集、及びその理論的フレームワーク形成を行なった。 また、いくつかのベンチャー企業、ネットワーク組織、弁護士、公認会計士及びベンチャーキャピタルなどの支援専門家などの現状についての事実確認やヒアリングを行なった。さらに、人材育成基盤としてのコミュニテーカッレッジ、教育大学、及び研究大学などにおける地域的分業関係の存在の重要性についても指摘を受けた。 このような事実分析から、Innovation Cluster形成に至る過程における、初期条件としての経済危機、ハイテク産業への転移の必然性、産学官連携のコア部分、基幹企業の存在とそこからのスピンオフの活性化の必要性、及び経路依存としての成功事例の発生、RoleModelの重要性、専門職能に基盤を置く個人的ネットワーク組織の機能など、展開動力が明確になってきた。さらにこのを形成過程における地域的形成動力創出の基軸となっていたInfluencerとしてのビジョンをもった強い個人の存在、その理論的意味について、現地の研究者達との討論を行なった。この点は、わが国では、全く欠落した論点であり、新たな構成項目と成り得る反面、わが国での支援政策の根本的弱点を摘出する可能性があるポイントかと思われた。 次年度以降は、これら事実をもとにした分析フレームのリファインと、モデル化を行なうことにしたい。このモデルをわが国、特に仙台地区と対比分析することで、本研究の初期の課題である、わが国ベンチャー企業支援策の限界を具体的に明らかにし得るように思われる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 西澤昭夫: "Innovation Clusterとベンチャー企業支援"日本経営学会第75回大会報告要旨集. 77-80 (2001)
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[Publications] 大滝精一: "企業とNPOのコラボレーション-仙台における活動事例を中心にして-"マネジメント・トレンド(経営研究所). 6巻1号. 45-59 (2001)
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[Publications] 福嶋 路: "ラップトップパソコンの開発拠点へー米沢日本電気における新製品開発と組織変革(2)"東北大学『研究年報「経済学』. 63巻1号. 117-135 (2001)