2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13572017
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
今村 弘子 富山大学, 極東地域研究センター, 助教授 (80234011)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬 駿 富山大学, 経済学部, 助教授 (00303206)
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Keywords | 中国 / 失業問題 / 社会保障 / 経済発展 / 下崗(レイオフ) / 国有企業改革 / 国際研究者交流 |
Research Abstract |
今年度では、中国国有企業の改革と労働市場に関する文献研究を行ったうえ、北京と上海の国有企業改革と失業問題を中心に調査を行った。具体的に、まず今村は中国国有企業の全体的な基本状況を反映するデータを収集し、中国政府が国有企業の改革について提案した基本方針を把握したうえ、「中国の労働(失業)問題と失業保険」というタイトルの論文を作成した。その論文では、失業および下崗(レイオフ)の実際の状況を検証しなおすとともに、下崗職工の業種別・省別の実態、および労働のミスマッチ現象を明らかにした。それとともに今後中国経済のなかで非正規就業がどのような役割を示していくか、さらに現在過度的な状況にある失業保険の実態と問題点、今後失業の増加は不可避と考えられることから、失業問題が中国経済の制約要因となることを示した。 その次に、馬は聞取り調査の対象企業の労働者へのアンケート調査について、中国人民大学の協力者と連絡をとりながら、聞き取り調査をアンケート調査の具体案を企画した。それに基づき、今村と北京に渡航し、中国人民大学の専門家に意見聴取を行ったうえ、協力者である中国人民大学の趙国慶教授と共同でアンケート調査を作成した。そして、趙国慶教授にアンケート調査を10月から12月にかけてアンケート調査を実施してもらい、1月に調査データを入手した。現在、統計分析を行っているところである。 また、馬は11月下旬、再度中国に渡航し、上海と藩陽での予備調査を行った。(1)上海の協力者である上海杜会科学研究院の王振助教授と周海旺助教授とアンケート調査の内容と配布対象を確認し、調査を依頼した。現在、上海でのアンケート調査のデータを集計しているところである。(2)藩陽で遼寧大学人口研究所の研究者と接触し、現地での聞き取り調査とアンケート調査を依頼し、次年度の本調査のための準備活動を行った。なお、本研究の実施をもっと着実に進めるため、来年度から研究協力者で王振氏の代わりに、上海仕会科学院人口研究所の周海旺助教授に研究協力を依頼する予定である。
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Research Products
(1 results)