2002 Fiscal Year Annual Research Report
マニラ湾・ラグーナ湖及び周辺流域の統合型環境研究プロジェクト推進のための共同調査
Project/Area Number |
13574005
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
灘岡 和夫 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 教授 (70164481)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二瓶 泰雄 東京理科大学, 理工学部, 専任講師 (60262268)
大石 哲 山梨大学, 工学部, 助教授 (30252521)
浦瀬 太郎 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (60272366)
波利井 佐紀 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 助手 (30334535)
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Keywords | マニラ湾 / ラグーナ湖 / 流域統合型広域環境システム / 現地観測 / 数値シミュレーション / 雨季と乾季 / 水理・水質環境 / 栄養塩動態 |
Research Abstract |
1)マニラ湾/ラグーナ湖連成系の水理・水質・生態環境調査および数値シミュレーションモデル開発 マニラ湾及びラグーナ湖の水理・水質環境に関する調査として,昨年度の調査が主として雨季において実施したものであることから,本年度は乾季を対象として調査を行った.その結果,乾季の終わり(5月上旬)のラグーナ湖水位が最も低くなる頃,マニラ湾側からパッシグ川を遡って海水が逆流し,ラグーナ湖内の塩分が上昇する時期があることなど,きわめて特徴的な現象を捉えることに成功した.また,これらの水理・水質環境調査に平行して,昨年に引き続いて,マニラ湾とラグーナ湖の流動シミュレーションのための基本モデルを開発した.このうちマニラ湾に関しては,灘岡・二瓶らによる3次元海水流動モデル(Dual-σPOMモデル)をベースとし,ネスティング法や非静水圧分布導入の効果などを検討した.またラグーナ湖に関しては田村・灘岡による準3次元浅水乱流モデル(SDS-Q3Dモデル)をベースとし,それにラグーナ湖内に数多く存在する養殖池(fish pen)の流体力学的な効果を導入する方法を検討し,そのための現地調査を実施した. 2)重金属に着目した周辺流域を含めた物質循環調査 2002年3月に採取したパッシグ川およびラグーナ湖の底泥の粒径分布および重金属の分析を本年度行った.ラグーナ湖の重金属濃度は比較的低く,パッシグ川では,一部の元素で高い値が観察された.これまでのマニラ湾での結果と合わせてこの地域における底泥中の重金属の分布が明らかになった.分布の傾向が強く人為的影響を受けている鉛について,その起源の一つとして道路脇粉塵を考え,道路脇粉塵の分析を行った結果,粉塵中の鉛濃度はわが国の環状八号線の粉塵中濃度と大きな差はないことがわかった.道路率などを加味して,鉛の環境への負荷量を路面排水について概算し,廃棄物の処分場から負荷される鉛の量と比較した.さらに底質形成に関連する水中微粒子の凝集沈殿過程を明らかにするために,2003年2月にこの地域の水の採取および解析を行った.
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Y.NIHEI, Y.YAMASAKI, K.NADAOKA, T.NISHIMURA: "Influence of hydrostatic approximation on coastal current simulation"Proc. 12th Int. Offshore Polar Eng. Conf.. Vol.2. 380-385 (2002)
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[Publications] 二瓶泰雄, 山崎裕介, 西村 司, 灘岡和夫: "浅水流場を対象とした三次元数値モデルの近似手法に関する検討 〜σ座標系と静水圧近似に着目して"海岸工学論文集. 49・1. 411-415 (2002)
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[Publications] 二瓶泰雄, 町田佳隆, 佐藤慶太, 西村 司, 灘岡和夫: "新しいtwo-wayネスティング手法の開発"海岸工学論文集. 49・1. 421-425 (2002)
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[Publications] 浦瀬太郎, 灘岡和夫, 日下部 治, フェルナンド シリンガン, 宮下健一朗, 鈴木洋介: "廃棄物処分場浸出水および道路脇粉塵に含まれる重金属の日本とフィリピンでの状況の比較"水環境学会誌. 25・11. 657-660 (2002)
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[Publications] 鈴木洋介, 浦瀬太郎, 灘岡和夫, F.P.Siringan: "マニラ湾底泥に含まれる重金属分布を決定する因子"土木学会年次学術講演会. 57 (2002)
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[Publications] 鈴木洋介, 浦瀬太郎, 灘岡和夫, F.P.Siringan: "フィリピンラグナ湖連成系の底泥の粒径分布と重金属濃度"水環境学会年会講演集. 37. 106 (2003)
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[Publications] 町田佳隆, 二瓶泰雄, 佐藤慶太, 西村司, 灘岡和夫: "新しいネスティング手法のtwo-way化とその応用"2002年度日本海洋学会春季大会講演要旨集. 43 (2002)
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[Publications] 佐藤慶太, 二瓶泰雄, 西村 司, 灘岡和夫: "沿岸流動計算におけるネスティング手法の適用性に関する基礎的検討"2002年度日本海洋学会春季大会講演要旨集. 295 (2002)