2003 Fiscal Year Annual Research Report
韓国の伝統集落における自然共生型住空間の保存を目的とした環境デザインの提案
Project/Area Number |
13574008
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
梅干野 晁 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (50108213)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 正則 宮城教育大学, 教育学部, 助教授 (60300513)
本間 博文 放送大学, 教養学部, 教授 (60016475)
|
Keywords | 伝統集落 / 自然共生 / 保存 / 生活行為 / 民家 / 調査 / 河回村 / 韓国 |
Research Abstract |
今年度は、2003年10月27日〜11月5日に河回村の生活環境やその変化に関するアンケート調査を行った。また、2003年12月8日〜13日に河回村保存会との討論会および本研究を総括する最終打合せを行うために、韓国へ渡航した。 アンケート調査は、集落内の伝統住宅34戸に対し、主に次の項目に関して行った。 1)河回村全体に対する保存意識 2)集落における外部空間構成の変化 3)住宅内部、特に大庁と台所の空間形状および用途の変化 4)住宅改造や増築の方針についての考え 5)観光地化の方針に対する考え その結果、慶尚北道による調査が行われた1979年頃との熱環境を比較検討するための有用なデータが得られた。また、集落の観光地化や生活の現代化に対して河回村の住民が持っている保存意識を把握し、これまで伝統集落として維持してきた生活環境をこれからの変化に対応させる方法について検討することができた。 並行して、2棟の両班住宅を対象に、夏季および冬季における室内熱環境改善のための新たな改修方法について、数値計算による検討を行った。その結果、夏季における断熱と日射遮蔽、そして冬季における断熱、気密、日射取得を目的とした改修が、熱的快適性を高め、また冬季における暖房負荷削減に充分効果的であることが確認された。 河回村保存会との討論会では、まず本研究の成果でもある放送大学ビデオ教材「韓国の居住文化」を用いて調査全体の報告を行い、そのことから河回村において伝統的空間の価値を維持しながら現代生活を快適にするこれからのあり方について意見交換を行った。伝統集落を適切に保存することについては合意が得られたが、その具体的手法については、今後の研究課題とされた。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] 嚴, 梅干野, 菅原, 本間, 黄, 都, 鄭, 李: "伝統的道路空間の改修に伴う構成材料の変化による熱環境特性への影響 安東・河回村における自然共生型住空間の保存を目的とした環境デザインの提案その2"日本建築学会大会(東海)学術講演梗概集. D-1. 921-922 (2003)
-
[Publications] 本間, 梅干野, 嚴, 菅原, 黄, 鄭, 都, 李: "韓国・河回村における集落内建物の配置の基本原則に関する研究"日本建築学会計画系論文集. 580(採用決定). (2004)
-
[Publications] 菅原, 大和田, 梅干野, 本間, 嚴, 黄, 都, 鄭, 李: "両班住宅における冬季の暖房負荷削減と夏季の防暑のための改修方法の検討 安東・河回村における自然共生型住空間の保存を目的とした環境デザインの提案その3"日本建築学会東北支部研究報告集. 65(発表予定). (2004)