2001 Fiscal Year Annual Research Report
GPS利用による酸性雨観測ネットワークシステムの中国適用評価
Project/Area Number |
13574017
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
伊永 隆史 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30124788)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 明広 徳島大学, 総合科学部, 教授 (20143373)
落合 正宏 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 助手 (60106606)
奈良岡 浩 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20198386)
須崎 寛則 古野電気株式会社, 技術研究所, 主幹研究員
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Keywords | GPS / マイクロチップ / Lab-on-a-Chip / 二酸化窒素(NO_2) / 二酸化硫黄(SO_2) / 酸性雨 / 大気環境測定 / 広域モニタリング |
Research Abstract |
本年度は平成12年度末までに、基盤研究B(展開)やNEDO地域コンソーシアム研究開発事業で開発したNO_2測定デバイスの最適化及び、SO_2測定適応に向けた条件検討を行った。平成13年8月に海外共同研究者の張新祥(北京大学化学学院)、楊屹(北京化工大学応用化学化学科)が来日し、中国大気測定について研究の打ち合わせを行った。同年10月にも研究総括者伊永隆史が北京大学、北京化工大学を訪問し、研究の打ち合わせを行った。本デバイスでの大気測定は、Lab-on-a-Chip技術を用いることで、多孔質ガラスを介したガス捕集及び検出を単一チップ上で行い、小型デバイス化を可能とし、オンサイト、多地点同時測定を実現できるものである。NO_2測定についてはガス吸収部、化学反応部それぞれの最適化研究より高感度な大気環境測定を行うことのできる系を設計しフィールド実証試験への準備を行った。中国において特に排出量が高いとされるSO_2については、N-(9-アクリジニル)マレイミド(NAM)を用いる蛍光法の当デバイス適応化にあたり、NAM濃度、検出時pH及び反応時間の最適化検討を行った。実験より水溶液中のSO_<3->として高感度に測定可能であることが確認された。また簡易な大気中微量物質測定器として広く普及しているパッシブサンプラーを用いた大気SO_2測定への応用により、従来法に比べ測定時間の短縮及び高感度な検出が可能であることが示された。これより、トリエタノールアミン(TEA)水溶液をガス捕集液とし、測定にNAMを用いることで簡易な大気中SO_2測定が可能であることがわかった。さらにSO_2測定マイクロ分光計によるオンサイトモニタリングの基礎実験を行った。風洞実験より0〜45ppbのSO_2濃度での測定が可能であることがわかり、大気モニタリング適用への可能性が示唆された。今後はさらに温度、湿度といったパラメーターについて十分な検討を行いフィールド実証試験に向けた研究を行う。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Odake, M.Tabuchi, T.Sato, H.Susaki, T.Korenaga: "Flourescent Derivatization of Nitrite Ion with 2,3-Diaminonaphthalene Utilizing a pH Gradient in a Y-shaped Microchannel"Analytical Science. 17. 535-538 (2001)
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[Publications] 佐藤隆宣, 須崎寛則, 岩田哲郎, 山本賢太郎, 小竹玉緒, 伊永隆史: "マイクロチップを用いた蛍光検出型NO_2モニタリング装置"電気学会論文誌E. 121・9. 507-512 (2001)
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[Publications] M.I.H.Helaleh, T.Korenaga: "Spectrophotometric Determination of Nitrite in Human Saliva, Rain Water and Atmosphere"Journal of AOAC International. 84・1. 53-58 (2001)
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[Publications] M.I.H.Helaleh, S.Fujii, T.Korenaga: "On Column Silylation Method for Determining an Endocrine Disruptors from Environmental Water Samples by Solid Phase Micro-Extraction"Talanta. 54・6. 1039-1047 (2001)
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[Publications] M.I.H.Helaleh, Y.Takabayashi, S.Fujii, T.Korenaga: "Gas Chromatographic-Mass Spectrometric Method for Separation and Detection of Endocrine Disruptors frm Environmental Water samples"Anal. Chim. Acta. 428. 227-234 (2001)
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[Publications] 宮本純之, 伊永隆史, 他編: "内分泌かく乱物質研究の最前線"学会出版センター. 224 (2001)