2001 Fiscal Year Annual Research Report
樹上性巻貝の左右二型現象と鏡像集団の進化生物学的研究
Project/Area Number |
13575005
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
浅見 崇比呂 信州大学, 理学部, 助教授 (10222598)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 一佳 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (80251411)
青塚 正志 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (40106604)
吉村 仁 静岡大学, 工学部, 教授 (10291957)
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Keywords | 左右 / 進化 / 非対称 / 熱帯 / タイ / 巻貝 / らせん / カタツムリ |
Research Abstract |
タイの東部および西南部の地域を中心として、タクミマレイマイマイ(Amphidromus atricallosus)の分布・生息状況を調査した。その結果、長期にわたる動態追跡が可能な集団を2箇所で確認した。それら2地点において、標識再捕法を開始した。 これらの地点の間では、降雨量および緯度が異なり、その結果、食物をはじめ生活環境の要素が大きく異なることがあきらかである。タイの全体においては、東部の調査地点は、雨量が相対的には豊富な湿潤な地域である。しかし、東部では、雨季と乾季が毎年交互にあるため、通年雨量がかわらずに継続する西南部の地域とくらべると成長率が大きく異なることが予測される。興味深いことに、体サイズは、西南部では東部の約70%前後であり、成長率が高い地域では、体サイズが小さくなる傾向が示唆されたしかし無論、体サイズの決定要因は、それを決定する実験的解析がなければ、確かなことはわからない。だが、今後の長期にわたる動態の調査解析により、種内での体サイズの大きな地理的変異を左右する環境要因について洞察を得ることが可能になるとおもわれる。 左右二型は、これまでに分布調査した地域において、常に同一地点において共存していることが確認された。すなわち、単型的な集団がモザイク状に分布しているのでも、あるいは左型集団と右型集団が接しているのでもないことが明らかである。
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Research Products
(1 results)