2002 Fiscal Year Annual Research Report
マニラ首都圏の公害に関する集団細胞遺伝学的調査と人類学的考察
Project/Area Number |
13575016
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平井 百樹 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (60156635)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
数藤 由美子 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助手 (70313202)
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Keywords | 公害 / 細胞遺伝学的調査 / マニラ / 染色体異常 |
Research Abstract |
都市化にともなう公害ならびに都市貧困層の問題は、世界共通のものである。特に東南アジアの首都圏においては深刻な問題を抱えている。マニラ首都圏は人口の集中が激しく、排気ガス公害の住民の健康への影響が大きいと考えられているが、それ以外にも首都圏から出る膨大な量のごみと、その廃棄場でごみさらいをして生計をたてている住民の問題がある。そこで、都市の抱える問題の一つのモデルとして、マニラでの公害の遺伝的影響のモニタリングを行うこととした。すでにごみ廃棄場に10年以上住む人々20名の血液細胞を培養して解析し、染色体レベルの異常(姉妹染色分体交換)の高度の上昇が誘発されていることを明らかにした。そこで聖ルーク医療センター(ケソン市)バイオテクノロジー部門の細胞遺伝学研究室と協力して、現地で一般マニラ市民20名の採血を行い、染色体の構造異常検査ならびに姉妹染色分体交換検査をおこなった。姉妹染色分体についての平均値は7前後で、変異原非被曝集団の諸報告値と差がなかった。したがって、ごみ廃棄場の住人においては、姉妹染色分体交換を誘発するような種類の変異原に高度に曝されていると考えられる。また、本年度は別種の対照群として、ミンダナオ島南部の隔離集団(自然に依存した生活様式を営む)ならびに金鉱労働者(既知の各種化学物質に汚染された集団)についても調査を行った。染色体の異数性、構造異常、姉妹染色分体を指標としており、解析には時間を要するが、本プロジェクトの最終年度である来年度中には結果をまとめる。
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Research Products
(1 results)