2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13575020
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
衛藤 威臣 鹿児島大学, 農学部, 教授 (10041659)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩井 純夫 鹿児島大学, 農学部, 教授 (50295276)
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Keywords | ニンニク / 祖先種 / 収集 / トルコの野生種 |
Research Abstract |
トルコで最近、新種と同定されたAllium tuncelianumはニンニク(A. sativumの祖先種かもしれないと、イギリス、キュー植物園のDr. Mathewが示唆している。ニンニクの種の起源と進化に永年関わってきた本研究代表者は、この問題を解明するため、2001,2002の両年、トルコ東部及び中部地域で本種を収集し、ニンニクとの関係について解析を進めた。 本年度は、昨年度、調査・収集できなかった地域、本種の最も多く分布するTunceli地方奥地での調査・収集を最重点として試みた。幸運にも、調査・収集行の直前にトルコで同地方の軍隊規制が緩和された。更に、イスタンブール大学のOzhatay教授、現地でAli Kaya氏などの協力があり、TunceliからMunzur川を遡り、川の水源地、Ziyaretまで調査・収集の道を進めることが出来た。そこでは、本種を野生のヤマニンニクとして栽培し、土産物として販売さえしていたので、非常に幸運な収集が出来た。 収集した材料は球根であったが、鹿児島に持ち帰り、栽培し、植物体を実験に供した。昨年度は球根の発芽に非常に日数がかかり、本種は寒冷な地域に分布していることから冬を越して発芽する生態的特徴を有するものと推測された。そのため、本年度は夏の終わりに球根の低温処理を行った上で、植え付けたところ、無処理より3ヶ月も早く10月下旬には発芽した。形態はニンニクに似ていて、花軸は発達の途中、ニンニクと同じように丸く輪を作った。花器はまだ形成中で詳細な構造は不明である。 ニンニクの臭い成分、アリシンを定性的に調べたところ、存在は認められたが、ニンニクほど多量には存在しなかった。 ニンニクその他の種と本種をRAPDによりDNA分析しているが、まだ3種のプライマーしか使用していないので、ニンニクと共通のバンドも観察されたものの、はっきりした結果は未だ得られていない。
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