2001 Fiscal Year Annual Research Report
ウシウイルス性下痢症ウイルスの遺伝的多様性:貿易のための防疫対策確立
Project/Area Number |
13575028
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
田島 誉士 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (90202168)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 真大 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助手 (40322846)
大和 修 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 講師 (80261337)
|
Keywords | ウシウイルス性下痢症ウイルス / BVDV / BVDVII / 遺伝子型 / 系統樹解析 / 地理的分布 |
Research Abstract |
放牧時期(晩秋)の北部ドイツ一帯における乳牛飼養管理状況を視察し、ウシウイルス性下痢症ウイルス(BVDV)に対するワクチネーションプログラムの実際を検証した。また、この地帯で過去十数年の間に分離された野外分離株の遺伝子型を解析した。ドイツ北部地帯に分布するウイルスは、他の欧州諸国および日米において報告されているウイルス分布とは明らかに異なることが判明した。今回用いたウイルスの遺伝子領域はウイルスの抗原性を決定する糖タンパクをコードする領域であったので、ウイルスの病原性・変異様式・分布様式・侵入経路の推測等を究明するにあたり、我々の解析結果は非常に貴重なものとなると考えられる。これら遺伝子の塩基配列は、ジーンバンクに登録され、公開されたので、今後、世界各地のウイルス株との比較が可能になると考えられる。 米国ニューヨーク州立コーネル大学獣医学部診断学研究所ウイルス検査部門の協力を得て、過去数年の間に米国で分離されたBVDV野外分離株を取得し、それらが分離された個体の臨床症状、発生状況、飼養環境などの疫学調査を実施した。取得した野外分離株の遺伝子型を分析したところ、日本や欧州ではきわめて少数例しか検出されていないBVDVIIが広く分布していることが判明した。現在、ウイルス遺伝子の塩基配列を解読中であり、その結果に基づく系統樹解析によりさらに詳細な遺伝子型別が可能となる。また、ドイツの野外分離株において解析した遺伝子領域と同一部位を解析する予定である。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] M.Tajima: "Prevalence of genotypes 1 and 2 of bovine viral diarrhea virus in Lower Saxony, Germany"Virus Research. 76. 31-42 (2001)
-
[Publications] B.Grummer: "Localization of viral proteins in cells infected with bovine viral diarrhoea virus"Journal of General Virology. 82. 2597-2605 (2001)
-
[Publications] 小岩 政輝 監修: "乳牛疾病の早期発見・応急処置・予防対策"酪農総合研究所. 102 (2001)