2002 Fiscal Year Annual Research Report
セミパラチンスク核実験場近郊の放射線汚染と被曝線量推定および住民の健康影響研究
Project/Area Number |
13575037
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
星 正治 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (50099090)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 政儀 金沢大学, 自然計測応用研究センター, 助教授 (10121295)
遠藤 暁 広島大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90243609)
高田 純 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助教授 (00274134)
吉川 勲 長崎大学, 環境科学部, 教授 (80039528)
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Keywords | セミパラチンスク / 核兵器実験 / フォールアウト / 環境放射能 / 土壌汚染 / 外部被爆線量 / 被爆者 |
Research Abstract |
本年度は、従来の調査に加え平成15年9月にセミパラチンスクで開催された放射線量評価の国際会議を開催したことが特筆される。主催はセミパラチンスクの放射線医学環境研究所と医学アカデミーであり、ドイツ、ロシア、イギリス、フィンランド、アメリカ、インドなどの代表が参加した。広島大学は事務局を含め会議を主導した。われわれの提案として、従来の評価がその方法によりあまりにも違いが大きいのでこれを国際的に解決する目標を提案し承認された。国際共同研究となる。たとえばドロン村での外部被曝だけ見ると、グシェフによる見積もりが約2.2Gy、ステパネンコが1.1Gy、被曝の地図によると1.5Gy、高田らが煉瓦の測定により1Gy、原爆の放射能雲の計算が1.2Gy、歯のESR測定で0.13Gy、FISHによる染色体異常で0.5Gy以下でバックグラウンドと同じレベル、などである。放射線被曝の線量評価は疫学調査と合わせて低線量率被曝のリスクを求めることにある。したがってこの直接的にリスクに影響する。 その他、1.サルジャル、2.カイナル、3.コクペクティの3箇所村を検診した。検診は武市医師のグループにより、甲状腺の超音波診断、血液を採取して甲状腺ホルモンを検査し、尿中ヨードの検査を行った。さらに血液の染色体異常、小核試験なども行った。検診は各地で30名程度である。また甲状腺の異常については現在解析中である。またヨードの欠乏者は見いだせなかった。広島大学歯学部の岡本教授のグループの歯科検診では歯の試料をESRによる放射線量推定のため収集していただいた。さらに金沢大学のグループとの共同研究で土壌汚染を調べているが、今回は問題となっているドロン村の土壌を集中的に集め(25箇所)現在セシウム137を測定している。これはドロン村のフォールアウトの程度が分かり、線量評価の重要な基礎データとなる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] M.Hoshi: "I-129 and I-131 ground deposition densities are correlated in Belorussian settlements contaminated following the Chernobyl accident"Chernobyl : Message for the 21^<st> Century. eds. by Yamashita, S., Shibata, Y., Hoshi, M., Fujimura, K.Elsevier. 115-120 (2002)
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[Publications] M.Yamamoto: "Some aspects of environmental radioactivity around the former Soviet Union's Semipalatinsk nuclear test site : Local fallout Pu in Ust'-Kamenogorsk district"Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry. 252(2). 373-394 (2002)
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[Publications] A.I.Ivannikov: "Individual Dose Reconstruction among Residents Living in the Vicinity of the Semipalatinsk Nuclear Test Site Using EPR Spectroscopy of Tooth Enamel"Health Physics. 83(2). 183-196 (2002)
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[Publications] Zh.Zhumadilov: "Thyroid Cancer in the Semipalatinsk Region of Kazakhstan"広島医学. 55(3). 196-197 (2002)
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[Publications] 高田 純: "ウスチカメノゴルスク市の外部被爆線量評価"広島医学. 55(3). 147-148 (2002)
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[Publications] 武市 宣雄: "広島の原爆被爆者甲状腺細胞にみられた微小核-放射線による影響か。セミパラチンスクの症例も加えて-"広島医学. 55(3). 108-201 (2002)