2003 Fiscal Year Annual Research Report
ユーラシア大陸におけるライム病ボレリア種の分布、維持伝播機構解明とライム病の制圧
Project/Area Number |
13576014
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
増澤 俊幸 静岡県立大学, 薬学部, 助教授 (10181645)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 正紀 静岡県立大学, 薬学部, 講師 (00295560)
角坂 照貴 愛知医科大学, 医学部, 講師 (90109760)
高田 伸弘 福井大学, 医学部, 助教授 (90003409)
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Keywords | ライム病 / ボレリア / マダニ / Ixodes / Borrelia burgdorferi / ライムボレリア症 / ロシア / トルコ |
Research Abstract |
本年度は春から夏にかけてのアジア地域でのSARS outbreakの影響で、中国揚子江地域、台湾での調査を実施できなくなった。また、イラク戦争のために、トルコ西部の調査も自粛した。このため、海外の研究協力者より研究試料を送る、または持参してもらうことで、研究を展開した。トルコ産イボマダニより見出したボレリアの性状解析を行い、これまで知られる回帰熱ボレリア、ライム病ボレリアのいずれとも異なる中間型であることを、鞭毛遺伝子、16SrDNAの系統解析で明らかにした。さらに、DNAハイブリダイゼーションにより、新種であることを明かとしBorrelia turcicaの新種記載を行った。このボレリアの病原性はいまのところ不明である。試験管内での増殖は既知のボレリアの2〜3倍ときわめて早いことを見出し、この性質を利用してライム病ボレリアの遺伝子発現宿主として利用できる可能性が考えられ、現在ライム病ボレリア由来プラスミドの保持性を調べている。また、トルコのマダニIxodes ricinusからPCRにより、ヒト顆粒球エーリキア(HGE、Anaplasma phagocytophilum)の遺伝子を検出し、トルコにおけるHGEの存在を初めて明らかにした。セルビアモンテネグロの野鼠ならびマダニI.ricinus由来試料については、ライム病ボレリアBorrelia burgdorferi、ならびにB.afzeliiを同定し、同国初のライム病ボレリア同定を行うことができた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Guner, E. et al.: "First Isolation and Characterization of Borrelia burgdorferi sensu lato strains from Ixodes ricinus Ticks in Turkey"J.Med.Microbiol. 52. 807-813 (2003)
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[Publications] Guner, E. et al.: "A novel, fast growing Borrelia isolated from the hard tick, Hyalomma aegyptium, in Turkey"Microbiology. 149. 2539-2544 (2003)
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[Publications] 増澤俊幸 他: "ニューマクロライドroxithromycinの日本臨床分離ライム病ボレリアに対する抗菌力の評価"臨床と微生物. 31. 110-114 (2003)
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[Publications] Masuzawa, T. et al.: "New genomospecies related to Borrelia valaisiana species isolated from mammals in Okinawa archipelago, Japan"J.Med.Microbiol.. (in press). (2004)
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[Publications] Guner, E. et al.: "Borrelia turcica sp.nov., isolated from the hard tick, Hyalomma aegyptium, in Turkey"Int.J.Syst.Evol.Microbiol.. (in press). (2004)
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[Publications] 増澤俊幸: "動物由来感染症-その診断と対策(山田章雄, 神山恒夫編集)"真興交易医書出版. 214-218 (2003)