2001 Fiscal Year Annual Research Report
中国の慢性砒素汚染地域での介入研究:生体内NO産生変動と中毒症状軽減との関係
Project/Area Number |
13576029
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
熊谷 嘉人 筑波大学, 社会医学系, 助教授 (00250100)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相川 浩幸 東海大学, 環境医学, 講師 (40102850)
吉田 貴彦 旭川医科大学, 衛生学, 教授 (90200998)
山内 博 聖マリアンナ医科大学, 予防医学, 助教授 (90081661)
石井 祐次 筑波大学, 社会医学系, 講師 (90253468)
下條 信弘 筑波大学, 社会医学系, 教授 (00080622)
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Keywords | ヒ素 / 一酸化窒素 / サイクリックGMP / 慢性中毒 |
Research Abstract |
本研究は、中華人民共和国内モンゴル自治区包頭市の飲水型慢性汚染地域の村で実施した。日本の各研究グループは関西国際空港を出発して中国沈陽に到着後、中国医科大にて公衆衛生院の研究グループとの研究打ち合わせ、なんらびにフィールド調査に必要な機材等を準備した。つぎに沈陽から北京を経由して包頭市まで飛行機で移動した。さらに対象地域まで車で移動し、村近くの宿舎を前線基地としてフィールド調査を行った。 (1)予備調査:当該衛生局との打ち合わせ、宿舎および機材運搬のための車の確保、調査に必要な液体窒素等の供給先の確認、調査対象者の母集団の確認、各家庭が飲水に使用している井戸水の採取、臨床所見および生体サンプル採取に必要な検査場所等を行った。 (2)本調査:対象は男性66名(37±15歳)、女性64名(35±14歳)。井戸水中砒素濃度は0.05〜1.79mg/Lだった。対象者の血液中および尿中砒素濃度はそれぞれ8.15±7.72μg/Lおよび204.4±258.2μg/g of cr.だった。対象者の中で男性に典型的な皮膚の角化症、色素沈着、色素脱失等が認められた。 (3)生体内NO産生に係わるマーカーの測定:尿中サイクリックGMP濃度は0.35±0.30nmol/mg of cr.、血漿中NO代謝物濃度は79.81±56.91μMだった。
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