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2001 Fiscal Year Annual Research Report

西洋中世スコラ哲学の合理性概念

Research Project

Project/Area Number 13610007
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

川添 信介  京都大学, 文学研究科, 助教授 (90177692)

Keywordsスコラ哲学 / 合理性 / キリスト教 / トマス・アクィナス / ドゥンス・スコトゥス
Research Abstract

研究の初年度になる本年は、もっとも基礎的な原典テキストの読解と分析とに充てられた。すなわち、西洋中世スコラ哲学のうち13世紀から14世紀にまたがる時期の主要な哲学者・神学者の『命題集注解』第1巻冒頭のテキストを通時的に踏査する作業がなされた。その箇所はどの思想家においても、キリスト教の言う啓示に基づく学問としての神学の学問としての根拠を問うものとなっており、啓示と合理的思惟の関係を考察する場合の基礎的資料である。
その踏査によって得られた本年度の基本的知見は、上記の時期の思想家たちがまずもってキリスト教神学者として、啓示内容が人間の完全な合理性を超えていることを承認しながらも、それにもかかわらず、彼らがその啓示内容の事柄自体としての(人間の理性との関係を離れた)理解可能性をも承認しているという事態である。このことはキリスト教の伝統的・正統的な信仰理解である「知解を求める信仰」という立場からは当然とも言える一方、12世紀末からのアリストテレス哲学の導入という知的状況の中では、それほど簡単に首肯できることでもない。
従って、この一見分かりにくいこの事態について、その時代の思想家自身がどのような正当化をしていたのかを吟味し、そのうちに見出される「合理性」についての理解を探ることが来年度以降の主要な目的となることが明確となった。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Publications (1 results)

  • [Publications] 川添 信介: "トマス・アクィナスの確実性について"哲学研究. 573号(近刊). (2002)

URL: 

Published: 2003-04-03   Modified: 2016-04-21  

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