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2001 Fiscal Year Annual Research Report

カント哲学における判断と存在の関係について

Research Project

Project/Area Number 13610009
Research InstitutionKyushu University

Principal Investigator

圓谷 裕二  九州大学, 大学院・人文科学研究院, 教授 (60227460)

Keywords『純粋理性批判』 / 「超越論的弁証論」 / 世界概念 / 反省的判断力 / 経験 / 存在 / カント / 普遍と特殊
Research Abstract

本年度は、「判断と存在」の関わりあるいは「判断と世界」の関わりという、哲学においてたえず問い直されかつ捉え返されつづけてきた問題について、カント哲学を手がかりにしながら考察した。「判断と存在」の関わりという場合に、「判断」と「存在」を結びつけている「と」は、あらかじめ相互に独立に成立している判断と存在とを後から結びつけるような「と」ではない。むしろ逆に、この「と」こそがあらかじめ判断と存在の関わりを関わりとして成り立たしめている事態である。判断はあらかじめ既に存在に触れ合っていなければ判断としては成立しえず、また存在は判断から独立な自体存在ではなく、たとえ未規定的な仕方ではあるにしても判断によってあらかじめ了解されていなければならない。
カント哲学を根底から動機づけているのは、経験一般の可能性の条件の探求を権利上の課題として展開している『純粋理性批判』の「超越論的分析論」の箇所であるよりも、経験の「全体性」という理念にたえず目を配りながら経験の可能性および経験と存在の関わりを問うている「超越論的弁証論」の箇所であり、また、普遍をアプリオリな所与として前提したうえで特殊をその下に包摂しそれによって特殊を普遍のうちに解消してしまう規定的判断力の解明であるよりも、むしろ、普遍は特殊によって活気づけられまた特殊において表現されてこそ普遍たりうるのだという反省的判断力の思想である。本年度は、カント哲学における判断力の問題を特に研究してきた。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Publications (1 results)

  • [Publications] 円谷裕二: "経験と存在-カントの超越論的哲学の既趨"東京大学出版会. 328 (2002)

URL: 

Published: 2003-04-03   Modified: 2016-04-21  

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