2002 Fiscal Year Annual Research Report
インド近代におけるヨーロッパ宣教師の布教活動とインド思想との交流
Project/Area Number |
13610018
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山下 博司 東北大学, 大学院・国際文化研究科, 教授 (20230427)
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Keywords | インド思想 / キリスト教 / ヒンドゥー教 / 宣教師 / 近代思想 / インド哲学 / デ・ノビリ |
Research Abstract |
本研究は、中世から近代のインドにおいて、西洋のキリスト教宣教師たちが文化交流と異文化理解に果たした先駆的役割と近代インド思想の形成に対する貢献について、文献資料を駆使して論じようとするものである。 本年度は、研究計画の第2年目として、来年度の研究プロジェクトの締めくくりのために、当該研究に必須な資料を整え、資料の具体的分析にとりかかった。必要な資料は、上智大学図書館、同カトリック文庫、ドイツ・ミュンヘン市のバイエルン州立図書館、オーストリアのウイーン市のウイーン大学中央図書館と同大学インド学図書館から主として収集した。昨年度に引き続き、ヴァティカン図書館(ビブリオテーカ・ヴァティカーナ)、教皇庁立ウルバニアーナ大学図書館などのお世話にもなった。このように、最終年度における分析作業に万全の準備を整えつつある。 資料収集と並行して、各図書館・研究所で学者・専門家と意見交換し、また助言を頂いた。 以上の収集活動によって、とりわけイタリア出身のイエズス会士で南インドにわたり宣教活動に生涯を捧げたエンリケ・エンリケス、ロベルト・デ・ノビリ、ジウゼッペ・ベスキらに関係する先行研究や一時資料を、昨年度に続いて数多く入手することができ、収集した資料の分析に着手しつつある。また、収集した資料をもと、カトリック・イエズス会のマドゥライ・ミッションの事積について、詳細な分析を進めつつある。次年度は、これらの基礎作業をもとに、南アジア地域において、インドの中世から近代初期にかけて交わされた思想的・文化的交流の足跡について、新たな視点から明らかにしたい。
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