2001 Fiscal Year Annual Research Report
長崎県下及び天草島におけるカトリック土着に関する調査研究
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13610034
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Research Institution | Nagasaki Junshin Catholic University |
Principal Investigator |
宮崎 賢太郎 長崎純心大学, 人文学部, 教授 (60157625)
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Keywords | キリシタン / カトリック / 潜伏キリシタン / カクレキリシタン / 一神教 / 重層信仰 / 祖先祭祀 / 土着化 |
Research Abstract |
本研究は日本人が受容したキリスト教の性格を明らかにしようとするものである。キリスト教は一神教であると考えられているが、日本人が受容したのは一神教としてのキリスト教であったのか、それとも重層的に仏教や神道や民俗信仰の上にさらにキリスト教的信仰を付加しただけのものであろうか。 本年度は調査対象を幕末までキリシタン信仰を継続し、明治初期に再渡来したカトリック宣教師の指導下に入った信徒によって創設され、今日に至っているカトリック教会に限定した。具体的には(1)熊本県天草島崎津 (2)長崎県外海地方黒崎 (3)佐世保市郊外相浦のカトリック教会の調査を行った。崎津は19世紀初頭天草崩れによって多数の潜伏キリシタンの存在が暴露され、ほとんど明治初期にカトリックに戻った地区である。黒崎は明治初期にカトリックとカクレキリシタンに分かれ現在に至っている地区である。相浦は明治初期に五島列島および黒島から移住してきた信徒たちによって創設されたカトリック集落である。 各他区の代表的な信徒達に面会し、彼らの先祖のルーツをできるだけ明らかにし、幼少のころから受けたカトリック信者としての教育のあり方を聴取した。そのさい、できる限り彼らの信仰が一神教的であるのか、重層信仰的であるのかに留意し、特に葬儀と供養のあり方に着目し、祖先祭祀観念に重点をおいて聞取りを行った。
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