2003 Fiscal Year Annual Research Report
長崎県下及び天草島におけるカトリック土着に関する調査研究
Project/Area Number |
13610034
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Research Institution | Nagasaki Junshin Catholic University |
Principal Investigator |
宮崎 賢太郎 長崎純心大学, 人文学部, 教授 (60157625)
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Keywords | カトリック / カクレキリシタン / 一神教 / 先祖祭祀 / 土着化 / 重層信仰 |
Research Abstract |
本研究は日本人が受容したキリスト教(特にカトリックのケースを扱う)の性格を明らかにしようとするものである。そのために二つの大きな問題関心を抱いて調査に取り組んでいる。ひとつは、16、7世紀のキリシタン時代、19世紀中期のキリシタンの復活期、現代のカトリック信徒のあいだに、一定のキリスト教に対する普遍的理解が存在するのか、それとも各時期においてかなり異なるものなのであろうかということ。いまひとつは、キリシタン時代より先祖代々カトリックであり続け今日にいたっている信徒と、比較的新しくカトリックに改宗した人々とのあいだに信仰の質的差異が存在するのであろうかということである。 上記の問題関心に沿って、平成15年度は(1)京都の河原町カトリック教会(2)熊本県夫草島崎津、大江教会(2)長崎県外海地方黒崎教会(3)長崎県北松浦郡生月島におけるカトリック教会およびカクレキリシタンの調査を行った。各地区の代表的な信徒達に面会し、幼少のころから受けたカトリック信者としての教育のあり方を聴取した。そのさい、できる限り彼らの信仰が一神教的であるのか、重層信仰的であるのかに留意し、特に葬儀と供養のあり方に着目し、祖先祭祀観念に重点をおいて聞取りを行った。 当初、おそらくかなりの差異がみられるのではないかと予想していたが、カトリック教会の持つ教義的、典礼的普遍性は想像以上に強いものがあり、さほど差異は感じられないというのが今のところの印象である。このことはカトリックがどれほど日本に土着しているのかという第3のテーマにつながってゆく。
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Research Products
(1 results)