2002 Fiscal Year Annual Research Report
サンティ・ディ・ティートの絵画研究-ドメニコ会思想に基づく図像解釈の試み-
Project/Area Number |
13610065
|
Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
甲斐 教行 茨城大学, 教育学部, 助教授 (60323193)
|
Keywords | イタリア / 対抗宗教改革 / サンティ.ディ.ティート / ドメニコ会 / トマス・アクイナス / アントニーノ・ピエロッツィ / サヴォナローラ |
Research Abstract |
平成14年度は、4月26日より5月13日まで、7月19日より9月25日まで,3月31日までの計三回イタリアに研究目的で滞在し、画家サンティ・ディ・ティートの作品カタログ作成のための実地踏査と写真撮影を行った。トスカーナ地方では、フィレンツェのサンタ・マリア・ノヴェッラ修道院大回廊、フィレンツェ近郊ヴィッラ・ストロッツィ、アル・ボスケット、プラートのサン・バルトロメオ聖堂、サン・フランチェスコ・アル・パルコ聖堂、プラート近郊ターヴォラのサンタ・マリア・マッダーレナ聖堂、カッシャのマザッチョ記念美術館所蔵作品を撮影・調査した。また、フィレンツェ及びプラートの銀行(カッサ・ディリスパルミオ)の所蔵作品を調査した。この他展覧会Ombra del Genio(フィレンツェ、ストロッツィ邸)及びVolti del potere(ウフィツィ美術館)出品作品を調査した。トスカーナ以外ではローマのサルヴィアーティ邸礼拝堂、ヴァティカン市国内ピウス四世のカシーノ階段室、マルケ地方ポテンツァ・ピテェーナのカップティーノ会修道院所蔵作品を撮影・調査した。 図像解釈学的研究に関して、画家の作品約25点を扱かった最初の成果をフィレンツの専門誌ARTISTA(Le Lettere社刊)の2002年号に発表するため、国内及びイタリアのにおいて、平成14年3月から10月にかけて研究・執筆を続け、10月末に投稿し、審査の結果、掲載が決定した。トマシ・アクイナス、アントニーノ・ピエロッツィ、ジロラモ・サヴォナローラトイッタドメニコ会士たちの原典を援用しつつ、画家の作品を1.観想的生と活動的生1.恩寵と功績3.キリストの人性と神性、の観点から検討した。2003年5月頃を出版予定とする。
|