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2001 Fiscal Year Annual Research Report

老化及び痴呆に伴う学習障害の背景となる脳内メカニズムの解明

Research Project

Project/Area Number 13610080
Research Institution福井医科大学

Principal Investigator

吉田 和典  福井医科大学, 医学部, 助教授 (50143938)

Keywords海馬 / 水迷路 / 痴呆モデル / 老化 / 脳内神経機構 / スコポラミン / 場所学習 / 記憶障害
Research Abstract

本研究は自然老化や痴呆に伴う学習・記憶障害と海馬を中心とした脳内神経機構との関連を明らかにすることを目的としている。
本年度は,痴呆モデル動物の水迷路による場所学習成績と海馬内神経回路網の形態学的関連づけを統制群と比較しながら行った。痴呆モデルラットは、スコポラミンを、2週間毎日0.4〜0.8mg/kgを腹腔内へ投与した場合(痴呆ラットI)と、浸透圧ポンプを皮下に埋め込み4週間連続的に微量注入(一日約0.8〜1mg/kg)した場合(痴呆ラットII)の2種類を作製した。統制群として生理的食塩水を同様に投与した同月齢ラットを用いた。形態学的検索は今年度は、海馬歯状回顧粒細胞軸索(mossy fiber)終末を選択的に標識するTimm染色法を用いて、mossy fiberの終末分布の形状や面積を比較検討した。今までに得られた結果をまとめると、痴呆ラットI群は、数例において学習障害を示したが、平均的には統制群とほぼ同様の学習成績を示し、形態学的にも顕著な差は認められなかった。このことはスコポラミン投与法に問題があり、毎日1回の投与では効果が持続せず、痴呆モデルが作製できなかったと考えられた。それに対して痴呆ラットIIは場所学習の初期の試行において記銘及び保持の成績が有意に低下していた。しかしながら、これらのラットの海馬内mossy fiberの形状及び面積を詳細に観察したが、形態学的には顕著な変容は認められなかった。このことは痴呆モデルラットの学習障害の背景には海馬内ニューロンの形態学的変化よりも神経回路網の機能的変容が関連していることが考えられた。従って今後は海馬への入出力系に注目し、各部位間の神経結合様式について検討を加える計画である。これまで得られた成果の発表は現在準備しており14年度中に行う予定である。また老化ラットの育成も現在1年3ヶ月経過しており、14年度中に18ヶ月と24ヶ月の老化モデルラットの実験を予定している。

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Published: 2003-04-03   Modified: 2016-04-21  

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