2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13610085
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉川 左紀子 京都大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (40158407)
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Keywords | 動画表情 / 表情表出 / 自然さ評定 / 6基本情動 |
Research Abstract |
本年度は、モーフィングによって作成した表情動画を用いて、動く表情、変化する表情の認知および表情に対して生じる応答的(模倣的)表情表出に関して検討した。 (1)変化速度の異なる表情動画に対する自然さ評定 Ekman and Friesenの表情画像を用いて、中性表情から情動表情まで徐々に変化する51枚のモーフィング画像を連続提示することにより動画クリップを作成した。提示速度5,10,20,40ms/frameの4種であった。被験者は各動画の知覚後に、特定の情動を表す表情として「まったく自然でない」から「非常に自然である」の7段階で評定した。その結果、悲しみを除く5情動では提示速度が早いほど自然だと評価されたが悲しみでは遅い提示速度でも自然だと評価されることが分かった。各情動を表す表情の表象に時間成分が含まれていることが示唆された。 (2)静止画および動画で提示される表情知覚時の無意図的表情表出に関する検討 静止画および動画で提示される、幸福と怒りの表情を注視しているときの、知覚者の無意図的な表情表出の特徴を検討した。幸福および怒りの情動を明瞭に表している日本人男女の各4名の顔写真を用いて、モーフィングにより、中性表情から情動表情まで変化する表情動画を作成した。表情の静止画および動画を注視している被験者の表情をプロンプターを使用して撮影した。被験者の表情変化をFACSのアクションユニットAU4(眉を寄せる)とAU12(口角を上げる)に着目して生起頻度を分析した。その結果、全体の表出反応の生起頻度はAU4で数%、AU12で約10%であった。幸福・動画の知覚時には、怒り・動画、怒り・静止画や幸福・静止画よりも、AU12の動きが頻繁に生じた。怒り表情では幸福表情に対してよりも、また怒り・動画では怒り・静止画に対してよりも、AU4が動く頻度が高かった。表情動画の知覚時に、視認可能な応答的表情表出がみられることが確認された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Sato, W., Yoshikawa, S.: "The dynamic aspects of emotional facial expressions Cognition and Emotion"Cognition and Emotion. (In press). (2003)
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[Publications] 吉川左紀子, 佐藤弥: "表情知覚時の無意図的表情表出:動画と静止画の比較"感情心理学研究. (印刷中). (2003)