2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13610093
|
Research Institution | Miyagi University |
Principal Investigator |
真覚 健 宮城大学, 看護学部, 助教授 (40199675)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
足立 智昭 宮城学院女子大学, 学芸学部, 教授 (30184188)
|
Keywords | 口唇裂・口蓋裂 / 表情表出 / 相貌印象 / 対人コミュニケーション / 発話活動 / 顔の認知 |
Research Abstract |
東北大学歯学部付属病院口腔機能治療部の協力を得て、ハーフ・ミラーに向かっての成人口蓋裂・口唇裂者の表情表出場面の撮影を本年度も継続して行い、合計で46名(男性16名、女性30名)の撮影を行うことができた。 撮影した表情表出場面について、意図的な笑顔表出場面と無意図的な笑顔表出場面を用いて、それぞれについて印象の測定を行った。その結果、口蓋裂・口唇裂者では意図的な笑顔表出よりも無意図的な笑顔表出場面で、より「自然」で、よりポジティブな印象を受けることが示された。 定性的な観察では、無意図的で自然な笑顔表出時には、中立的な表情時に比べて口唇部の裂の瘢痕や唇裂鼻と呼ばれる鼻の変形が目立たない印象が報告された。この点について定量的な検討を行うために、笑顔と中立顔の静止画を用いて裂の瘢痕や鼻の変形の検出にかかる反応時間を測定した。その結果、裂の瘢痕や鼻の変形の検出は中立顔に比べて笑顔で常に速いとはいえず、笑顔中で裂の瘢痕や鼻の変形の検出が速くなる条件も存在することが明らかになった。裂の瘢痕や検出が促進される条件と抑制される条件の違いを明確にすることが今後必要である。 英国の口蓋裂・口唇裂者の支援団体であるCLAPAから資料を取り寄せ、口蓋裂・口唇裂者の社会適応に向けた支援について検討した。児童期から思春期にかけて顔貌に対する悩みが深刻化しやすく、自然な表情表出をサポートするプログラムはこの時期に行うことが望ましいと結論づけることができた。
|