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2003 Fiscal Year Annual Research Report

留学生の孤独感の個人別構造分析

Research Project

Project/Area Number 13610124
Research InstitutionSHINSHU UNIVERSITY

Principal Investigator

内藤 哲雄  信州大学, 人文学部, 教授 (20172249)

Keywords留学生 / 孤独感 / 個人別診断 / 自由連想 / 多変量解析 / 間主観的解釈 / PAC分析
Research Abstract

留学生の孤独感は、留学目的、出身国との文化的差異の大小、現在の生活環境、日本語習熟度、留学期間、配偶者の有無などによって、量的にだけでなく質的に大きく異なると考えられる。そこで本研究課題では、個々人の孤独感を診断的に詳細に分析することを目指して、個人別にイメージ構造を分析した。分析のための技法には、筆者内藤(1997)によって開発されたPAC(パック)分析を用いた。これは、被検者の自由連想、被検者による連想項目間の類似度の直感的評定、ウォード法によるクラスター分析、クラスターに対しての被検者自身によるイメージ報告、検査者による総合的解釈という、自由連想、多変量解析、間主観的解釈のプロセスを通じて個人のイメージ構造を解明する事例分析法である。
3年間のまとめとなる本年度の研究では、事例を追加するとともに全体を整理した。これによって以下の傾向が明らかとなった。(1)短期交換留学を含めて留学の初期は、日本語、日本文化、日本人との人間関係に戸惑い、孤独を感じ、母国や母国の人びとへの郷愁を感じる。母国に恋人を残しているケースでは郷愁が強く、同国人多い国際交流会館に入居している者は孤独感がほとんどない。他方では、留学当初の目的意識を感じており、適応が進むにつれて積極的に取り組もうとする姿勢がみられる。(2)留学期間が4年を超える中期になると、生活や修学には支障がなくなるが、留学当初の目的意識への確信が揺らぎがちである。留学途中の結婚を含めて配偶者の存在は留学目的や進路に影響する。(3)年齢が30歳以上で日本語学習歴が長く、日本滞在が長い者に、アイデンティティの再確認が生じる。(4)年齢が高く専門職の転換教育の研修として日本留学をしたケースでは、強い目的意識と学習意欲、アイデンティティの再確立への志向がみられた。(5)宗教的信仰の強い者に、孤独感を試練として意味づける例がみられた。
以上、留学期間が経過し年齢が高くなるにつれ、孤独感の内容は異文化適応からアィデンティティへと転換すること、PAC分析を各自の診断やカウンセリングに活用できることが確認された。
引用文献:内藤哲雄 1997 PAC分析実施法入門:「個」を科学する新技法への招待 ナカニシヤ出版

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Published: 2005-04-18   Modified: 2016-04-21  

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