2001 Fiscal Year Annual Research Report
地図表現の理解と産出に影響を及ぼす諸要因の分析的研究
Project/Area Number |
13610129
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
竹内 謙彰 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (40216867)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村越 真 静岡大学, 教育学部, 助教授 (30210032)
山本 利和 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (20200826)
寺本 潔 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (40167523)
若林 芳樹 東京都立大学, 理学研究科, 助教授 (70191723)
岡本 耕平 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (90201988)
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Keywords | 地図表現 / 空間認知 / 心理学 / 地理学 / 理解 / 産出 / 経験 / 航空写真 |
Research Abstract |
本研究では,(1)実際の移動と結びつけて考えられるものと,(2)実際移動とは一応切り離されて考えられるようなもの,の2種類の地図表現を想定し,以下の諸テーマとの関連で実証的研究が立案され実施されつつある。すなわち,(1)子どもにおける地図表現利用の発達及び教育との関連,(2)地図表現利用における性差,(3)視覚障害者における地図表現の利用,(4)地図表現とナビゲーションの関連の検討,(5)日常生活における地図利用ニーズの諸問題の検討,(6)地図表現の理解過程の分析,等の諸テーマである。今年度,研究代表者及び研究分担者は,相互に連絡をとりつつ研究の立案を図り,準備の整ったものから順次デー夕収集を行い,集計と分析を進めてきた。本研究において扱う実証研究の領域は多岐にわたっており,またデータの収集も継続中のものが多いが,その中で,一定の成果が得られているのは以下の通りである。第1は上記テーマ(1)に関連するものであり,3種類の航空写真(a.幼児の通園している幼稚園を含む近隣<大縮尺のものと小縮尺のものの2条件を設定>,b.大都市中心部<大縮尺>,c.海岸線沿いの町<小縮尺>)を幼児(3〜5歳児)がどのように理解するかをインタビューによって明らかにしようとするものであった。明らかになったことは,3〜4歳児であっても航空写真が場所を表現する媒体であることは理解していること,しかし,縮尺や視角など表現するものとされるものの関係に関しては自覚的ではなく混乱が見られ,また,理解の程度に関しても年齢差や個人差が大きいことであった。第2は上記テーマ(4)及び(5)に関するものであり,地図の利用状況と方向感覚や自動車利用,コンピュータリテラシーなどとの関連に関する実態調査であった。地図の利用はナビゲーションを目的とすることが多いことやコンピュータ利用頻度と関連することなどが明らかとなってきた。進行中の実証研究も次年度には成果を示せる予定である。
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