2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13610136
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
齊藤 誠一 神戸大学, 発達科学部, 助教授 (60186939)
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Keywords | 青年期 / 親子関係 / 夫婦関係 / 生涯発達 / コホート |
Research Abstract |
中学2年生,高校2年生,大学2年生の生徒・学生240名およびその父母480名を対象に,親子関係を中心とした人間関係や対人傾向の特徴を明らかにするために,質問紙調査を実施した 1.生徒・学生の特徴(1)両親との関係認知:両親に対するイメージはおおむね肯定的で,悩み等を相談できる者も多く,自分の意志を尊重してくれる等養育態度を肯定的に認知していた。第2反抗期の様相は中・高生に見られず,また両親との同居大学生では家庭からの独立志向が見られず,全体として両親との良好な関係が見られる反面,両親から自立傾向に乏しかった。(2)友人関係:友人数や親友数は従来の調査結果と大差はないが,大学生においては友人数が多い反面,親友のいない者がおり,携帯電話のメール機能等の発達が人間関係の拡大を促進する一方で,親密な関係を形成することを阻害している可能性が推測された。(3)対人傾向:他者への共感性や向社会的行動も望ましい傾向が示されており,報道等で指摘されるような他者への無関心傾向などは見られなかった。 2.父母の特徴(1)子どもとの関係認知:自分に考えを押しつけない理解ある親として養育してきたとする者が多く,母親が子どもとの密着を危惧する一方で,父親は子どもと適当な関係にあったとする傾向が見られた。また,子どもの性格・行動特徴の認知では,両親間で概ね一致していたが,同じ特性でも肯定的/否定的に見るか否かで若干の齟齬があった。(2)夫婦関係:中学生と高校生の親では自分たちの関係を夫婦関係としてよりも親関係として認知する傾向にあり,大学生の親では子どもとの密着度が強いほど親関係と認知し,子どもの独立傾向が強いほど2者関係の見直しを考えていた。
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