2002 Fiscal Year Annual Research Report
環境リスクマネジメントにおける合意形成プロセスの研究
Project/Area Number |
13610148
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Research Institution | Tezukayama University |
Principal Investigator |
中谷内 一也 帝塚山大学, 人文科学部, 教授 (50212105)
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Keywords | 環境 / リスク / 合意形成 / 信頼 / 住民参加 / リスク認知 / リスクマネジメント |
Research Abstract |
昨年度の事例研究の結果をまとめ、住民参加や情報公開制度はリスクマネジメントにおける信頼欠如への対応策であり、マネジメントへの一任を取り付けることを目的としては失敗しやすいことを論理的に説明し「土木学会誌」に発表した。 さらに、リスクマネジメントへの信頼が失われた後に、どのような政策がその回復につながるかを経済学における「人質供出」モデルを援用して実証的に検討した。人質供出とは相手との取引において、裏切った場合に没収されるような財を供出することであり、裏切りの誘因をなくすことによって協力関係を形成する装置とされる。質問紙実験の結果から、信頼を失った組織は、今後のマネジメントに対する監視と不正に対する制裁制度を自ら申し入れる自発的人質供出により信頼を回復し能力評価を改善できるが、周囲から強く求められてから受け入れる場合は、同じ内容の人質供出であっても、何の対策も実施しないのと同じ程度に、信頼は改善しないことが示された。すなわち、誘因構造の変化よりも、心理学的な、「自発性」がシグナルとなる内的行動傾向への推察が信頼形成にとって重要であることが示唆された。研究成果は日本社会心理学会第43回大会で発表した。
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Research Products
(1 results)