2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13610150
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Research Institution | Hiroshima Prefectual College of Health Sciences |
Principal Investigator |
吉畑 博代 広島県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 講師 (20280208)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
綿森 淑子 広島県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 教授 (00073023)
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Keywords | 失語症 / ボランティア / 教育プログラム |
Research Abstract |
ある日突然生じる脳血管障害などによって,言語機能が障害される失語症者に対しては,言語聴覚士による言語訓練が行われる。また近年では、失語症をかかえながら充実した人生を過ごす方法を見いだすという,心理社会的な対応も求められるようになってきた。失語症者の心理社会的な問題は多々あるが,外出の機会が制限される,コミュニケーションの機会が制限されるなどの点が上げられる。このような問題を解決するためには,失語症者に適切な対応ができる失語症ボランティアを養成することが必要である。 本研究では,失語症者の心理社会的な問題にアプローチするために,失語症ボランティアに関して,以下の2つの研究を行った。1つには,失語症者2名(全失語の方と,中程度ブローカ失語の方)とボランティア2,3名(本学学生)との自然な会話場面(本学構内の食堂にて,クッキーなどを食べながらの会話)を設定し,ボランティアの適切/不適切な対応方法を見いだした。その結果,ボランティアの対応方法によって,失語症者の実用的なコミュニケーション能力に違いが生じることが明らかになった。2つめには,実際に失語症ボランティアを行っている10名に協力してもらった。失語症者1名(ブローカ失語,中程度)との会話場面を設定し,失語症ボランティアが使用したコミュニケーション方略が,失語症者との会話にもたらす効果について分析した。ここで対象とした失語症ボランティアは,過去2回実施した「失語症ボランティア養成講座」に参加した方々である。その結果,会話場面での各コミュニケーション方略の使用に,ボランティアごとの個人差があることが見いだされた。 今後は,コミュニケーションが取りにくい重度失語症者らへの対応などを分析し,問題点を明らかにすることによって,失語症ボランティアに対する段階的な支援方法を確立することをめざす。
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Research Products
(2 results)