2001 Fiscal Year Annual Research Report
親子三者間相互交渉における子どもの会話参加スキルの発達
Project/Area Number |
13610156
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Research Institution | Bunkyo Gakuin University |
Principal Investigator |
加須屋 裕子 文京女子大学, 人間学部, 助教授 (60296291)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上村 佳世子 文京女子大学, 人間学部, 助教授 (70213395)
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Keywords | 三者間相互スキル / 会話維持能力 / 言語発達 / 会話分析 / 幼児 / 家庭観察 / 自由遊び / 親子関係 |
Research Abstract |
幼児の親およびきょうだいの家庭での三者間相互交渉における、言語的スキルの獲得と、会話全体の運用および維持能力との関係を調べることを目的とする。母子間・父子間における異なる会話場面に参加し話題を維持していく経験は、子どもの語用論的スキルの発達に大きな役割を果たすものと考えられる。そこで本研究では、(1)2歳半から3歳半にわたる3時点での、子どもの話題への加入や維持に関わる語用論的スキルがどのように獲得されていくか、(2)母子および父子三者間相互交渉でこのような言語的スキルの習得に、親およびきょうだいがどのような役割を果たすかを、三者の会話参加のダイナミックスの変容から検討する。 9組の親子三者間の社会相互交渉のビデオ・オーディオ録音による観察を行った。対象となるのは、初回の観察時に2歳6か月の男児で、以降6ヶ月後に同様の観察を行った。観察対象は対象児と2〜4年歳上の同性のきょうだい、そしてその父母いずれかである。次の手順で家庭観察を行った。1.母親と2人の子どもが最近共有した出来事(e. g..,幼稚園での話し、家族で遊園地に行った話しなど)を3-5分話してもらう。2.買い物セット、トラベルセットのおもちゃを提供し、それを使って三者で30分ほど自由遊びをしてもらう。3.母親が退出後、父親に入ってもらって、母親との今終ったばかりの遊びについて2人の子どもと3-5分話しをしてもらう。4.ままごとセットを提供し、その後は母親セッションと同様に30分程の遊びを続けてもらう。その後、両親に面接調査を行い、子どもの現在の言語環境や能力、興味内容に関する情報を取得した。これらの録音テータから、機能分析に必要な親子の発話・非言動行動のトランスクリプトを作成し、発話機能のコーディングを通して分析が進められている。
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