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2003 Fiscal Year Annual Research Report

犯行体験の有無が供述コミュニケーションに及ぼす影響

Research Project

Project/Area Number 13610159
Research InstitutionShukutoku University

Principal Investigator

大橋 靖史  淑徳大学, 社会学部, 助教授 (70233244)

Keywords供述コミュニケーション / 供述心理学 / 犯行体験 / 供述分析
Research Abstract

本年度は、平成13・14年度の研究成果に基づき、引き続き宇和島事件に関する取調室および公判廷における犯行体験に関する尋問の特徴を分析した。
本研究は、犯行を体験した真犯人の供述と犯行を体験していない無実の者の供述との間に存在することが予想される供述コミュニケーションの相違点を明らかにすることを目的としていたが、本年度は、特に公判廷における主尋問および反対尋問記録を精査し、両者におけるコミュニケーションの特徴を明らかにすることを当初の目的としていた。方法としては、尋問者と被尋問者のやり取りを数量化するとともに、問い-答えあるいは答え-問いの連鎖を単位とした微細な分析を行うことを目論んでいた。しかしながら、宇和島事件においては無実の被告人は取調べの途中から否認に転じており、公判廷においては一貫して犯行を否認していたため、分析が可能な公判廷での尋問記録が見出せなかった。
そこで、平成14年度に引き続き、取調べ段階における供述調書の分析を進めた。その結果、以下のようなことが明らかとなった。行為の具体性において、真犯人は通帳や印鑑を盗み出す犯行行為に関する供述において具体的な陳述が多かったのに対し、被告人は犯行自体に関する陳述が曖昧で乏しく、むしろ、犯行後の行為に関する陳述が多かった。また、盗んだ通帳を用いて金を引き出す場面についても、真犯人の供述では金を引き出す具体的行為に関する陳述が多かったのに対し、被告人の供述では核心的な行為に関する陳述が希薄であった。更に、被告人と取調官との共同想起の問題について分析・考察した。
なお、本年度は3年間にわたる研究の最終年度にあたることから、3年間の研究成果を研究報告書としてまとめた。

URL: 

Published: 2005-04-18   Modified: 2016-04-21  

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