2002 Fiscal Year Annual Research Report
画像による説得的コミュニケーションの処理様式を規定する要因についての研究
Project/Area Number |
13610167
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
北村 英哉 東洋大学, 社会学部, 教授 (70234284)
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Keywords | 感情 / 説得 / 社会的認知 / 情報処理方略 / 認知欲求 / 多面的思考 / 広告 |
Research Abstract |
14年度は、引き続き文献・尺度を検討の上、実験研究を2つ行った。さらに、書籍の執筆2件、学会での発表1件、論文の執筆1件を行った。 1.13年度に構成した多面的思考尺度の信頼性、妥当性の検討のために、6-7月に実験を行った。基準関連妥当性の検討として関連を分析した複雑な情報の記憶再生との関係は不十分であったが、他の基準関連妥当性となる認知欲求、および熟慮性-衝動性尺度との相関は妥当な値が得られた。 2.上記1の結果を、11月開催の日本社会心理学会第43回大会にて口頭発表した。 3.感情と情報処理様式との関係について文献研究の成果の一端を東洋大学社会学部紀要に執筆した(2003年3月発行)。 4.画像による説得的コミュニケーションとして、広告動画による実験を11月に行った。ポジティブ、ネガティブ、ニュートラル気分の実験参加者に速い動画、ゆっくりした動画、あるいは文章による広告を呈示して個人差変数と共に効果を検証した。ネガティブ気分の者が速い動画を好み、感情改善傾向が窺われた他、多面的思考傾向の高い者が信憑性に欠ける広告から影響を受けにくいという妥当性のある実験結果が得られた。また、認知欲求と多面的思考傾向との有意な相関が再び得られた。 5.文献研究の成果などを北樹出版「認知の社会心理学」の「感情と認知」の章に執筆し、引き続き編者として編集を行っている。 6.文献研究ならびに実験の諸成果について、「認知と感情」(ナカニシヤ出版:単著)の中で取り上げて執筆を行った(2003年5月刊行予定、再校済み)。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 北村 英哉: "気分状態と情報処理方略(1)-MAGK仮説をめぐって-"東洋大学社会学部紀要. 40巻3号. 59-72 (2003)
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[Publications] 大島 尚, 北村英哉(編): "認知の社会心理学"北樹出版(発行予定). 200 (2003)
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[Publications] 北村 英哉: "認知と感情"ナカニシヤ出版(5月刊行). 184 (2003)