2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13610172
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Research Institution | Kyoto Gakuen University |
Principal Investigator |
有馬 淑子 京都学園大学, 人間文化学部, 助教授 (40175998)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畑谷 麻子(三浦) 大阪大学, 大学院・人間科学研究科, 助手 (30273569)
行廣 隆次 京都学園大学, 人間文化学部, 講師 (60240628)
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Keywords | 社会的共有認知 / ネットワークRPG / CMC / 集団過程 |
Research Abstract |
研究組織は、京都学園大学が実験研究、大阪大学が参与観察研究を分担するものとして構成された。参与観察研究の結果、社会的スキルの低い被験者もゲーム場面では積極的に参加することが可能であり、その結果自己評価が上がることが示された。この結果は、NRPGの実践的・応用的な研究価値を示す成果である。 実験研究の主な目的は、これまでに経験したことのない世界を構築できるNRPGの特質を生かして、新しい表象の形成過程を検討することであった。3つの実験によって、情報分配の初期条件と共有過程が課題表象の形成に及ぼす影響を検討した。実験の結果、情報が会話で早く伝達されるほど正解の認知を促進させるものの、集団の課題解決に結びつかないことが示された。また、2人条件と3人条件の集団過程には差異があり、3人条件では集団としての協同行動が発生しやすい傾向が見いだされた。実験全体としては、情報の共有だけでなく、場を共有しようとする集団過程が課題表象の共有に必要であることが示唆された。他にも、私的自己意識が高いほどキャラクターの外見に合わせた役割行動を取りやすい、あるいは、敬語や絵文字の使用傾向がグループ内で同期する結果などが示された。実験研究ではゲーム場面の会話分析法の開発も行われたが、従来のようにカテゴリーに分類する方法ではなく、発話ごとに対人関係・課題関係・場依存の3軸で重み付けを行うことが適当と考察された。これらの研究結果はNRPGを使用した研究が、社会的認知の共有過程に新しい知見をもたらすことを示す物であった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 有馬淑子(Arima, y.): "The network role playing game for the group problem taslc."ISAGA Edinburgh 2002 Conference Handbook. 113 (2002)
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[Publications] 藤本学, 三浦麻子, 有馬淑子, 行廣隆次: "NRPGにおけるコミュニケーションに関する社会心理学的検討"日本S&G学会2002年度全国大会発表論文集. 174-179 (2002)
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[Publications] 有馬淑子, 行廣隆次, 三浦麻子, 藤本学: "ネットワークRPGによる社会的共有認知実験"日本社会心理学会第43回大会発表論文集. 220-221 (2002)