2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13610173
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Research Institution | RYUKOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
古川 秀夫 龍谷大学, 国際文化学部, 助教授 (10209166)
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Keywords | インターンシップ / 職業意識 |
Research Abstract |
第一に、平成13年度に実施したアンケート調査の分析をもとに、大学生の職業意識が『就職レディネス』、『有能感』、『自己主体性』という3領域、さらに下位要素として16因子で構成されることを見出した。『就職レディネス』に分類されるのは「職場の人間関係への理解」、「就職活動への準備」、「組織で働くことへの理解」、「学生と社会人の区別」、「ジェンダー問題への気づき」の5因子であった。『有能感』に分類されるのは「対人ネットワークの広がり」、「実行力」、「環境適応力」、「柔軟な物事の見方」、「社会から受容されている感覚」、「生活規律」の6因子であった。『自己主体性』に分類されるのは「学生生活への真撃さ」、「社会へのコミット感」、「自己理解」、「不安感」、「怠惰な生活」の5因子であった。 第二に、企業におけるインターンシップ実習の前後に実施したアンケート調査結果の比較から、上の16因子のうち、9つの因子において向上や改善が認められた。変化の認められなかったのは「ジェンダー問題への気づき」、「実行力」、「柔軟な物事の見方」、「学生生活への真摯さ」、「自己理解」、「怠惰な生活」の6つの因子にとどまった。したがって、インターンシップ経験は職業意識の醸成に効果のあることが実証された。 第三に、インターン生と企業の受入(もしくは指導)担当者のインターンシップに関する満足度をもとに、インターンシップ・プログラムの評価を試みた。業種や職種などによる系統的な差は見出せなかった。実習日誌と照合することによって示唆されたのは、顧客からの苦情対応やインターン生の体調不良など、予期せぬハプニングがプログラムの進行中に発生した場合に、その対処をめぐりインターンシップ経験がより深まり、高い満足が得られることであった。 第四に、様々な業種から40社を抽出し、企業の受入担当者にインタビュー調査をおこなった。と同時に、インタビュー調査をおこなった企業で実習をおこなったインターン生に自由記述による調査をおこなった。受入担当者に対しては、実習プログラムの具体的内容やインターンシップへの今後の取り組みなどを質問し、インターン生に対しては、実習プログラムをどう受け止めたか、就職活動への取り組みなどを質問した。現在、調査資料を整理しているところである。
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