2001 Fiscal Year Annual Research Report
教室内における認知的個人差の社会的構成過程とその変容に関する研究
Project/Area Number |
13610174
|
Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
松村 暢隆 関西大学, 文学部, 教授 (70157353)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
比留間 太白 関西大学, 文学部, 助教授 (40242466)
|
Keywords | 思考スタイル / 教師 / 児童 / 能力 / フィールドワーク |
Research Abstract |
1 道具としての思考スタイル質問紙の開発 R.J.スタンバーグが開発した教師思考スタイル質問紙(教師自己評価)および児童・生徒思考スタイル質問紙(教師生徒評価)を翻訳し、現職教員および教員養成大学大学院生(合計32名)を対象とした調査をおこなった。各質問紙は立案型、順守型、評価型、巨視型、微視型、革新型、保守型の7つの下位尺度から構成されている。分析の結果、各質問紙のα係数は教師自己評価用が.59から.88、教師生徒評価用が.54から.77であり、概ね良好であることがわかった。教師自身の思考スタイルと教師が評価した児童・生徒との思考スタイルの相関を検討したところ、立案型、順守型、微視型、革新型について、有意な相関があることがわかった(.51(t(27)=3.06,p<.01),.32(t(27)=1.73,p<.10),.39(t(26)=2.16,p<.05),.41(t(27)=2.33,p<.05))。また、教師の経験年数と下位尺度との相関を検討したところ、教師自身の思考スタイルでは経験年数が増大すると保守的傾向が高まり(.34(t(28)=1.97,p<.10))、一方で、児童・生徒の思考スタイルについては立案型、評価型、巨視型、革新型が経験年数と相関することがわかった(.38(t(27)=2.19,p<.05),.46(t(28)=2.75,p<.05),.40(t(28)=2.33,p<.05),.34(t(28)=1.91,p<.10))。 2 教育実践場面におけるフィールドワーク 実際の教育実践場面における能力概念の利用とその構成過程を検討するため、小学校低学年1学級を月1回1日にわたり観察した。併せて、教師へのインタビュー、教師自身の思考スタイル調査と児童の思考スタイル評価をおこなった。
|
Research Products
(1 results)