2001 Fiscal Year Annual Research Report
多変量質的データの数量化と単純構造抽出技法に関する計量心理学的研究
Project/Area Number |
13610176
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Research Institution | Koshien University |
Principal Investigator |
足立 浩平 甲子園大学, 人間文化学部, 助教授 (60299055)
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Keywords | 多変量データ解析法 / 数量化法 / 直行回転 / オーソマックス基準 / 斜交回転 / 等質性分析 / 距離分類モデル / 正分類率 |
Research Abstract |
数量化法(3類)の結果の解釈を容易にすることを目的として、本年度は、(1)直交回転法の研究開発、(2)斜交回転に関する準備的検討、および、(3)数量化法の解の適合度指標の研究などを行った。(1)解を直交回転するために、結果の解釈指標の単純性をオーソマックス基準で定義し、これを最大化する方法を提案した。ここで、データが変数とカテゴリーの2階層をなす数量化法では、結果の解釈指標が、次元と変数の関係を表す指標と次元とカテゴリーの関係を表す指標に分けられることに着目し、前者に属する判別測度、後者に属するカテゴリー得点、さらに、主成分分析との同等性から導かれる後者の指標(成分負荷量)を基準とする合計3通りの回転法を提案し、データへの適用例も示した。(2)多岐にわたる数量化法の定式化法を、非等質性の最小化に基づくHA(等質性分析)アプローチと、最小二乗基準に基づくCA(対応分析)アプローチに大別した上で、後者では斜交回転が許容されることに着目し、因子分析の分野で考案された諸方法の数量化法への適用可能性を検討した。(3)CAに基づく固有値累積指標が不当に低い解の適合度を示すこと、および、HAが多次元解の妥当な適合度指標を持たないことを考慮し、新たな指標としてCCR(正分類率)を提案した。CCRは、HAの基礎にDCM(距離分類モデル)をおくことから導出され、DCMと解から予測される値とデータの一致度として定義される。また、CCRは、判別分析の正判別率とも対応する。シミュレーション(真の得点からDCMによって生成した人工データの解析)によって、CCRが妥当な適合度指標として機能することを確認した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 足立 浩平: "数量化法3類における直行回転"日本計算機統計学会第15回大会論文集. 5-8 (2001)
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[Publications] 足立 浩平: "誤判別率による多重対応分析の解の評価"第69回日本統計学会講演報告集. 294-295 (2001)
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[Publications] 足立 浩平: "多重対応分析の斜交解について"日本行動計量学会第29回大会発表論文抄録集. 336-339 (2001)
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[Publications] 足立 浩平: "文化系のための線形代数"甲子園大学紀要人間文化学部編. 5号(印刷中). (2001)
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[Publications] 足立 浩平(2つの章を分担): "心理統計の技法"福村出版, 渡部洋(編)(印刷中).