2002 Fiscal Year Annual Research Report
自己学習能力を育む授業がもたらす児童の自己概念の変化とメタ認知的能力の発達
Project/Area Number |
13610182
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Research Institution | Mukogawa Women's University , Junior College Division |
Principal Investigator |
藤谷 智子 武庫川女子大学短期大学部, 幼児教育学科, 助教授 (90199349)
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Keywords | メタ認知 / 自己概念 / 自己学習能力 / 適性処遇交互作用 / 自己評価 / 重回帰分析 |
Research Abstract |
本研究は、自己学習能力を育むよう計画された授業を実施し、それが及ぼす効果を児童の学習成績のみならず、自己概念やメタ認知能力の発達においても検討する目的で実施された。その際、単なる授業の主効果だけではなく、適性処遇交互作用の観点から、児童の適性を組み込みながら分析した。 適性の測定としては、昨年度5年次の授業実施に先立ち、自己概念・メタ認知の質問紙および事前の算数学力テストを実施した。昨年度の小学校5年生1クラス(36名)に対する授業に引き続き、今年度は主にその追跡調査という形で、自己概念・メタ認知の質問紙調査を実施し、適性および授業の効果を検討した。 昨年度の分析では、事後の算数の学力テスト得点や思考得点を従属変数とする重回帰分析において、適性としてのメタ認知や事前の学力の主効果は有意であったものの、授業による効果は得られなかった。しかし、今年度メタ認知得点を従属変数とする分析を行い、部分的に授業の効果が得られた。また長期にわたる効果としては、「学習中に学習のしかたはこれでよいかと考える」と「学習内容だけでなく学習のしかたを学んだかを考える」という項目において、授業の効果や交互作用が得られ、メタ認知を育成するという授業の意図が、部分的にではあるが叶えられたと考えることができる。 自己概念については、平均値の差の検定により、発達的変化やクラス間の差は得られなかった。重回帰分析の結果からも、6年次の自己概念における各項目の値を予測するのは、5年次の自己概念項目の値であり、授業の効果は得られなかった。 また、「ふりかえりカード」を用いた自己評価についての詳しい分析を行った結果、適性としてのメタ認知が自己評価に関連していること、また自己評価を継続することが効果をもつことが示された。
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Research Products
(1 results)