2001 Fiscal Year Annual Research Report
「転換期」における稲作農業の可能性と農村社会の再生
Project/Area Number |
13610191
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小林 一穂 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (20150253)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳川 直人 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (10227572)
細谷 昂 岩手県立大学, 総合政策学部, 教授 (10005754)
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Keywords | 稲作農業 / 農村社会 / 家族農業経営 / 複合経営 / 営農志向 |
Research Abstract |
本研究では,稲作農業および農村社会が大きな変動に見舞われている状況のもとで,日本列島の南北における稲作農業と農村社会がどのような影響を受け,稲作農民の生活構造や農民意識においてどのように変容しているのか,そしてそれらが「転換期」といわれる21世紀の冒頭にどのような方向をとろうとしているのかを明らかにするために,北海道地方,東北地方,沖縄地方における稲作農村の実証調査を実施し,各地の稲作地帯の地域的特性を比較した。 水稲単作地帯であった山形県庄内地方では,米の生産調整を受けて複合経営や兼業化への構造的な変化が深化しており,それとともに農家女性の役割が重要になってきていること,北海道地方においては,畜産が困難な状況に陥っており,複合経営が打撃を受けていること,沖縄地方では,畜産や葉タバコとの複合が進展しており,稲作はサトウキビと同様に安定的基幹部門となっていること,が明らかとなった。また,稲作農業の今後の展開にとって重要な鍵となる点で注目されたのは,東北地方と沖縄地方とのあいだでの種籾の流通が展開していること,中国山東省において日本の品種の試験栽培が行われていることである。これは,日本の稲作農業にとって活性化の源となるか,あるいは逆に衰退の元凶となるか,その動向が注目される。 こうした稲作農業の変化とくに複合化の進展は,当然ながら稲作農家の家族農業経営や営農志向に大きな影響を与えており,農村社会が等質的な農民の集合という性格から,多様な性格をもった農家による農村社会の再構築へと向かっていることが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)