2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13610193
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
駒井 洋 筑波大学, 社会科学系, 教授 (20058100)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
バレスカス M. R. P 筑波大学, 社会学類, 外国人教師
|
Keywords | 帰化 / 在日韓国人・朝鮮人 / 中国人 / アイデンティティ / 帰化者団体 / 帰化手続き / 帰化意識 / コリア系日本人 |
Research Abstract |
前年度に実施した既存の文献および情報の収集とインテンシブな聞き取り調査の結果にもとづいて、本年度は質問票を用いる数量的調査を実施した。調査対象者は『官報』に記載された日本国籍取得者とし、238の有効回答を得た。このほかコリア系日本人の団体である「大阪成和クラブ」の会員から68の有効回答を得た。 調査内容は、帰化申請手続きまでの意思決定プロセス、帰化意識、手続きの問題点、国籍観と国家観、アイデンティティと帰属意識の変化、帰化者団体の評価のほか、客観的属性を聞いた。 調査結果は現在分析中であるが、単純集計からの主要な発見事項を列記すると、(1)中国人の帰化者数が増大している、(2)帰化理由としては「子どものため」がもっとも多くついで「権利のため」となる、(3)外国人にたいする地方参政権の付与については賛成者が多い、(4)帰化申請手続きについては担当官の態度に改善がみられる、(5)帰化手続きに要する時間が長すぎると感じられている、(6)必要書類が多すぎることにたいする不満がある、(7)帰化後も生活そのものはあまり変化しない、(8)日本への帰属意識の高まりとともに、二重帰属意識も増大している、(9)政治参加意識は顕著に高まっている、(10)国籍をたんなる生活の手段ととらえている者が多く、自分の民族的出自は保持されている。 最後に帰化者の多数を占める在日韓国・朝鮮人と中国人とでは、大きな相違が存在しており、後者に国籍を手段視する者が多い。
|