2001 Fiscal Year Annual Research Report
「文化」のグローバリゼーションとアジア地域主義:大衆文化と若者文化を中心に
Project/Area Number |
13610208
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
毛利 嘉孝 九州大学, 大学院・比較社会文化研究院, 助教授 (70304821)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 俊哉 和光大学, 表現学部・表現分化学科, 助教授 (60339611)
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Keywords | グローバリゼーション / 大衆文化 / 若者文化 / アジア / 地域主義 / メディア / アンダーグランド市場 |
Research Abstract |
【本年度の活動】 まず第一に、韓国延世大学と共同で日本と韓国の若者文化研究を行なった。特に平成13年7月4日〜9日までは、延世大学文化学部チョウ・ヘジョン教授とともにソウルの市内のフィールドワークを行ない、音楽産業関係者、テレビ番組制作者、クラブ音楽関係者、美術関係者などにグローバリゼーションと文化にかんするインタビューを行なった。その後もインターネットのメーリングリストを中心に積極的な議論が続けられている 第二に台湾清華大学とともに台湾、香港を中心とした中国文化圏におけるグローバリゼーションの調査を行なった。台湾と香港にかんしては、若者文化のなかでも特に空間の利用に関心を払い、音楽や美術がどのように移動し、消費されているのかを調査した。国内では、定期的にワークショップを東京と福岡で開催した。そこでは毛利、上野のほかに、ICUの岩淵功一助教授や香港alSpaceのハワード・チャン所長、ロンドン大学の小笠原博毅講師などが報告発表を行ない、活発な意見交換がなされた。 これまでの成果としては、1、現在若者文化については、たとえば韓国では公的には日本大衆文化が禁止されているにもかかわらず、アンダーグランドの市場やインターネットを通じてほぼリアルタイムで消費されはじめていること2、国境を越えた文化の「トランスナショナリゼーション」が進んでいること3、ジャパニゼーションと呼ばれた日本ブームが終焉しつつあること4、それにかわって、コリアン・ウェーヴとよばれる韓国のドラマや香港のテレビなどのアジア横断的に流通していること、が明らかにされた。
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