2001 Fiscal Year Annual Research Report
痴呆性高齢者の感情表出反応評価方法の開発および感情表出に影響する因子に関する研究
Project/Area Number |
13610217
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
黒田 研二 大阪府立大学, 社会福祉学部, 教授 (70144491)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 信雄 梅花女子大学, 文学部・人間福祉学科, 教授 (80299007)
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Keywords | 痴呆 / 感情反応 / アセスメント / ケアの質 |
Research Abstract |
研究の初年度である平成13年度は、まず、オーストラリア痴呆症サービス開発センターのリチャード・フレミング氏が開発した痴呆性老人の感情反応評価スケール(ERIC表)の使用方法マニュアル「Beyond Words(言葉を超えたケア)」の翻訳を行なった。8月にオーストラリアに赴きフレミング氏と研究打ち合わせを行ない、今年2月には来日したフレミング氏に大阪で講演をしてもらった。また、この感情反応評価を日本において追試すべく、島原市にある痴呆性老人グループホーム「城下」と共同研究プロジェクトを組織し、入居者およびその家族の同意を得た上で、以下の方法で入居者の日常生活場面をビデオ撮影した。6月から11月までの6か月間、毎月末の2.5日間を観察日とし、入居者6名の観察を行う。1日を2時間ごとの6セッションに区分し、1セッションごとに入居者1名につき10分以上、1セッション6名に関して顔の表情がわかるようにビデオ撮影を行う。撮影は行動科学専攻の心理学者が入居者が気にならない距離を保ちながら実施。1日に36場面(約6時間)の撮影を行い、6か月間で約90時間の撮影記録を作成した。現在、この撮影記録を2名の評価者が別々に見て、ERIC表を用いて感情反応アセスメントを行っている。近々、2名の評価者のアセスメントの一致度を調べ、この評価方法の信頼性について結論を出す予定である。感情反応は「喜び」「優しさと愛情」「他人の手助け(自発的)」「怒り」「不安・恐れ」「身体的不快感・痛み」「他人の手助け(促されて)」「悲しみ」「創造性や表現力」「満足感」の10のカテゴリーに区分して評価を行っており、それぞれの感情、および肯定的感情・否定的感情全体について評価一致度を明らかにする。来年度以降は、考人の特性(痴呆の程度)やケア内容と感情反応の関係の分析を行う予定である。
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Research Products
(1 results)