2003 Fiscal Year Annual Research Report
痴呆性高齢者の感情表出反応評価方法の開発および感情表出に影響する因子に関する研究
Project/Area Number |
13610217
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Research Institution | OSAKA PREFECTURE UNIVERSITY |
Principal Investigator |
黒田 研二 大阪府立大学, 社会福祉学部, 教授 (70144491)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 信雄 龍谷大学, 社会学部・臨床福祉学科, 教授 (80299007)
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Keywords | 痴呆症 / 感情表出 / アセスメント / ケアの質 |
Research Abstract |
研究の最終年度にあたる平球15年度は、島原市の痴呆性高齢者グループホーム入居者について昨年度までに撮影を行った延べ約90時間の感情表出反応を写したビデオ映像の解析を行うとともに、新たに、岐阜県の特別養護老人ホームにおいて、入居者の日常生活のビデオ撮影を行い、職員の働きかけと高齢者の感情反応の関係についての分析を行った。また、痴呆性高齢者の感情反応に関する日本内外の研究論文を収集して、レビューを行い、痴呆性高齢者ケアにおける感情反応評価の意義を検討した。さらに、感情反応を含めた痴呆性高齢者のQOLを、介護職員が評価するためのアセスメント尺度を開発し、福井県のデイケア施設をフィールドに、その信頼性と妥当性の検討を行い、さらに高齢者の日常生活の特性とデイケア場面におけるQOL評価結果との関連を検討した。これらの研究により明らかになった点を以下にまとめる。(1)オーストラリアで開発された感情反応評価尺度(ERIC form)は、とくに肯定的感情を評価する場合、日本においても利用価値がある。(2)痴呆性高齢者を介護する職員にとって、感情反応に注目した援助を行うことは、言葉によるコミュニケーションが困難な老人に対してもケアの目標設定を可能にし、利用者の個性に配慮した対応を促す点で有用である。(3)我々が新たに開発した尺度に基づく痴呆性高齢者デイケアにおけるQOLの評価結果を分析すると、痴呆症による認知障害をコントロールしても、家庭場面で社会的ネットワークが豊かな高齢者において、デイケア場面で観察されるQOLはより高い傾向を示すことが認められた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Kuroda K. et al.: "Assessment of Emotional Resperses Expressed by People with Dementia in a Group Home"The Dementia Service Development Centre. www.dementia.com.all. (2002)
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[Publications] 黒田研二, 今川真治, 臼井キミカ他: "痴呆性高齢者の感情反応評価尺度の信頼性と妥当性の検討"老年社会科学. 第24巻:2号. 267 (2002)