2002 Fiscal Year Annual Research Report
瀬戸内海島しょ部における高齢者の地域生活と在宅支援に関する研究
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13610222
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Research Institution | Tokyo International University |
Principal Investigator |
須賀 和彦 東京国際大学, 人間社会学部, 助教授 (90221308)
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Keywords | 瀬戸内島しょ部地域 / しまなみ海道 / 高齢者の在宅支援 / 介護保険制度 / 民生委員 / 老人クラブ / 瀬戸田町 / 愛媛県越智郡 |
Research Abstract |
本研究課題は,直接しまなみ海道(西瀬戸自動車道)の路線上に位置する生口島(広島県瀬戸田町),大三島(愛媛県上浦町)、伯方島(愛媛県伯方町),大島(愛媛県宮窪町,吉海町)の4島5町を研究対象として、本年度は瀬戸田町の民生委員役員,老人クラブ連合会長,ボランティア団体代表のほか社会福祉協議会職員、介護支援専門員、特別養護老人ホーム生活相談員への個別ヒアリングを実施した。また、ボランティア団体の運営する地域活動の現地視察の機会を得た。愛媛県宮窪町では、民生委員役員と老人クラブ会長との意見交換会の開催,及び民生委員役員と老人クラブ会長へのヒアリング調査を実施した。愛媛県伯方町では民生委員役員へのヒアリング調査を実施するなど,昨年度の上浦町の現地調査をふまえて研究調査を発展させた。さらに、上記5町を対象とする民生委員,老人クラブ会員,ボランティア活動者を対象とするアンケート調査を現在取りまとめ中である。ヒアリング調査の結果から指摘できることとして,瀬戸内海島しょ部地域といっても一様ではなく,地域の経済・産業基盤,人口構造の変化,地理的条件などによって生活環境をはじめとする生活条件は異なり,それぞれの地域における性格をふまえた検討が不可欠であるということ。一例を示せば,この地域の主要産業の一つである柑橘類の栽培であるが,島しょ部全体としては後継者難や畑の荒廃地化が進む現状にあるが,地域(町)によっては収穫など住民相互の支え合いが見られる地域もあれば,近隣の支援をあてにできない地域(町)もある。40%程度の高齢化率に近づきつつある地域(町)に暮らす高齢者にとって,介護保険制度など公的支援に依存するのではなく、地域住民相互の支えあいをベースにすることにより当該地域の高齢者の地域生活を維持していく方策が模索されるべきであろう。
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